暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第15話 銀髪の彼の素顔
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知らない人の頼みをあっさり聞いてくれるところを見ると悪い人じゃないのはレイナにも判る。何よりあの会議で見た姿勢だってそうだ。真っ直ぐな人で、間違った事はしない人だと感じたし、悩みを打ち明け、訊いてくれた人、だから。

「その……ありがとう」

 レイナは、まだ疑問が解消された訳ではないし、ギコちなさが残っていたが、頭を下げ、リュウキに礼を言っていた。彼女にとって、お風呂と言うのは、そんな疑問も不安も全て吹き飛ばす程の高威力を秘めた代物だから。
 リュウキは軽く会釈をしつつ、街のある場所を指さした。



 そして、更にその数分後。その《夢》の場所へとレイナは案内をしてもらった。



 リュウキが利用している場所と言うのは、ここ、トールバーナの南東の隅にあった。
 余程情報に精通していなければ、発見は難しいとさえ思える場所。街の建物の全てが利用できる訳ではないから。

 その宿泊施設に関しての印象。……庭もとても綺麗で、庭園には小さな池がそこにはあり、鮮やかな錦鯉が泳いでいた。視覚的安らぎも与えてくれる。そう思える程だ。

 そして、その宿に入ると老夫婦が笑顔で迎え出てくれた。それも彼が言うとおりだった。優しい笑顔だったから。

「どうぞ」

 リュウキは、NPCに軽く返事を返すと、そのまま部屋へ招待した。
 別に自宅と言うわけじゃないから、そう言うのもおかしいような気もする、と一瞬リュウキは思ったけれど、まあ特に気にする事もないだろうと思い、一足先に中へと入っていく。

「あ……ありがとう」

 レイナは 幾ら《お風呂》と言う名の弾丸。射程外からの強弾装を受けた身だったが、改めて目的地へときたら、再び不安感が湧きでた。

(……やっぱり、少し不安かも……。私は、このまま彼について行っても、大丈夫なのかな……?)

 いやにあっさりしているのだ。
 この世界で、襲われる様な、そんな事は無い、って多分だが思える。訊いた話によれば、ハラスメント・コードと言うモノがあり、何かをされようものなら、即《はじまりの街》の《黒鉄宮》、監獄エリアへと送る事ができるから。
 でも、それでも そんな事をする経験はこれまでには無かった事だし、いざ なったとして、冷静に対処できる自信も無いんだ。

 そんな感じで、レイナは夢に向かう期待と本当に付いて行っても良いのか? と言う葛藤が頭の中で、入り混じっていた。
 そして、もう1つ思うのは、『実は慣れているのではないか……?』っと思ってしまった事。

 そう、所謂 女の人を部屋へ連れ込んだりしている。それに慣れていると言う事だ。つまり女ったらしじゃないか? と言う事。

 一度そう思う出すと、どんどん悪い方向へと向かってしまうのも仕方が無いと思ってしまう。
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