暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第15話 銀髪の彼の素顔
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キが、無理だと言う以上、恐らくもうその条件の良い物件は、すべて埋っている事は間違いないって思える。

 ここは、迷宮区にもっとも近い街であり 十数人単位で詰め掛けている。……現にあの噴水前広場にでさえ、攻略会議の際に40人近くいた。BOSS攻略に参戦する人数だけでだ。

 あれで全員だとは思えない。

 それ以外の方法を考えれば、別の街へと引き返す。と言うのも手段の1つだと思えるが、この街周辺は1層の中でのフィールドで難易度が一番高い。
 万全の準備をして、最速で踏破したとしても、出来たとしても、空いていると言う根拠は無いし 何より、前の街に、戻ってしまえば もう BOSS攻略の時間。明日のAM10:00に、この場所へは絶対に戻れそうに無い。

―――それに約束を反故にすることだ。

 レイナはそんな事は絶対にしたくない。何故なら、そんな人の背中をずっと見てきたから。

 だ、とすると。もう結論はやっぱり1つしかない。
 たった1つの最終手段でしか無い。
 
 それは現実なら絶対に有り得ない頼みだ。それこそ天地がひっくり返ろうとも有り得ない頼み。

 でも……ここは言うようにデジタルの世界だ。現実感のない世界。多少の事は、ぐっ と堪えてでも、とレイナはそう思った。

 覚悟を決めたレイナは、恐らくは無意識下で相当力を入れているのだろう、僅かながらに身体を震えながら頭を下げた。

「お願いします……。その、あ、あなたの お、お風呂を、貸してもらえません……か………」

 それは、随分時間が掛かった願いだった。所要時間1,2分程だが、かなり長く感じた。そしてその言葉から、表情から 必死さは犇々と伝わってくる。
 
 パーティ申請をしていれば、宿泊施設のドアは解除可能だ。勿論デフォルト設定では、だが。基本的に、昨日今日の関係で 安住の地に他人を入れるのには抵抗がある様なモノだが リュウキにとっては、別に問題は無かった。何よりも、彼女は悪い人間には見えない。……思えないから。

「別に問題は無い。他のプレイヤーをいれるな、と言う制限は無い。パーティ申請を完了させていれば、デフォ設定にしてるから利用出来るしな」

 だからこそ リュウキの方はあっさりとOKを出した。レイナが葛藤していた時間よりも何倍モノ速さで。
 
 が、ここでレイナの方に問題が、猜疑心が生まれてしまう。……そのあまりの返答の速さにだ。
 レイナは 逆に不審に思ってしまったようだ。

(……仮にも、幾らゲームの世界でも、女の子が、お風呂……頼んでる、んだよ? なのに、どうしてこんなフツウに……なの?)

 疑問に思っていたのはその部分。
 目の前のこの人はフードもかぶって、素顔も晒してない。
 確かにそれはお互い様だが、何も
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