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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第15話 銀髪の彼の素顔
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首を振った。思い出を、過去の苦悩を思い返している暇はない。……だって、時間はもう元に戻らないのだから。戻れるのなら、この世界に来る前の自分に戻りたいから。
(っ……。今はその話とは違うよね。 ……私は、やっぱり私だって、女の子だから……。 せめて、泊るところにはたとえ仮想世界だったとしても……シャワーくらい部屋につけて欲しいって凄く思ってた。 そう、それが例え虚像でも、幻想のシャワーだったとしても、良いから。 あの暖かなお湯が頭から降り注いで………、全身をつつんでくれるあの感じに、そして、湯船に入ったお湯に入り込んで、そして、湯船の中で……思い切り手足を伸ばしたい。心ゆくまで 堪能したい)
それはきっと、大好きな人だって 同じだってレイナは思えていた。
『死ぬ前に……お風呂入りたい……』
……と、訊いた事があるから。
レイナ自身も死の覚悟は出来ている、だけど、そんな言葉は聞きたくなかったんだ。
何故なら、死んで欲しくないから。そんな言葉も聞きたくなかったから。……でも、聞きたく無い言葉でも、その中身は、そのお風呂に入りたい。と言う気持ちは激しく同意した。
そんなレイナの切なる願い。2人の願い。
それを、叶えてくれる救世主と出会う事が出来た。奇跡だって思える。
その奇跡は目の前の白銀のフードをかぶった 片手剣士の言葉の中に合った。
「…………お願い。もう一度教えて」
その表情は鬼気迫る。その言葉がしっくり当てはまる。警戒心を強めつつ、リュウキは応える。レイナは一言一句逃すまい、と構えていた。
「………多種類の飲み物無料の事か?」
「そのあと」
「ん、ベッドも広め、それにキッチン付き……か?」
「そのあと……。」
「ん、風呂付きか?」
「それだっ!!」
レイナは、最後の言葉を訊いたと同時に、探偵漫画よろしく。と言った感じで ビシッ! っと人差し指を突きつけた。そして、興奮止まぬ様子で。
「あっ、あなたのお部屋! その、いくらなの? 1泊の料金を教えてっ!」
「ん……。確か85コル………だったな」
リュウキは少し考えてそう説明した。金額を聞いてレイナは自分の財布事情を思い出す。確かにこれまでの宿屋よりは若干だが高い。それでも……。
(―――……間違いなくいける!)
レイナは小さくガッツポーズをした。2人部屋を考えたら 安いから。
「ねっ! その部屋! 後、何部屋空いているの!? その、この街にあるの?? 場所は何処? お願いっ! 私も借りたいからそこ案内してっ! お願いっ!!」
早口のままにリュウキに詰め寄って、根掘り葉掘り訊いていた。。
慌てて訊きつつも、レイナはこの時、別の事も同時進行で考えていてた。
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