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 Fate/Last 第6次聖杯戦争
開戦
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いであろう」
 ひとしきり笑ったランサーは今度は一方的にアルトリアをまくしたてる。そのさまは、かんしゃくを起こした子供のような激しささへあった。
 「あなたは・・・」
 「黙れいっ」
 一瞬で距離を詰めたランサーの刺突がアルトリアを襲う。その刺突は雨のようにアルトリアの体を血で濡らさんとする。それをアルトリアは迎撃するのではなく、力をいなすという形で無傷でやり過ごす。
 「くっ」
 打ち合ううちに、徐々に相手の動きが見えてくるものが普通だが、変則的なランサーな動きは一切動きをつかめさせない。
 剣で攻撃を流すにも、細かい攻撃は命中するのは避けようがない。
 徐々に浅手が増えていき、それは回復しない。
 しかし、アルトリアにはあまりそんな浅手は関係なかった。狙うはだだ、一点。
 決めにかかろうとランサーがひときわ大きく槍で突きを繰り出した。
 アルトリアの勝機はここにあった。いかなる槍使いでも、刺突を放つ一瞬の間は懐は空く。そこに飛び込むことこそ槍使いとの戦いでは勝機の一つとなるのだ。特にアルトリアは背も低く、当たる確率という点ではあまり高くはない。
 ―――もらった。
 とアルトリアが勝利を確信した時、白刃の一閃がきらめいた。

 士郎は道を急いでいた。バイクは士郎では扱いきれないため、走りである。士郎の脚力は魔術の強化もあってかなり速く、赤い弓兵のそれとあまりそん色はないまでになっていた。
 駆け続ける。
 ここから衛宮邸まで十キロ程度だが、今の士郎の脚力ならすぐなはずだ。しかし、延々と続くコンテナの森は士郎の頭の中をゆする。
 「なんだ。この感じ」
 思わずつぶやいていた。
 立ち止まる。
 ゆっくりと目を閉じた。そして、一回深呼吸。心を平静に保ち、魔術回路に魔力を通す。魔術の行使というのはいわば、ある神秘を体で表す。ある意味では臨死体験。ある意味では光栄なる行為。どちらにしても未熟な魔術は身を滅ぼす。ゆえに士郎の髪はすでに白に染まっている。
 今、士郎の行使している魔術は共感覚。すべての感覚をつなげて本人のいる空間の異常を洗い出す。
 すべての感覚が一体になるというのは非常に気持ち悪い。いうなれば自然と一体になるといったことだ。
「これは・・・」
 異常なんてものじゃないと士郎は思った。この空間そのものが異常なのだ、おそらくは巨大な結界。魔術における結界というものは二種類ある。境界線としてのモノ、もう一つは異界としてのモノ。前者は比較的良心的だ、何せ後者のように世界を壊したりはしない。まさしく地球にやさしいのだ。しかし、後者は士郎にとってもなじみ深いものであり、それでいて厄介だ。何せ相手の体内にいるようなものなのだ。凛のそれはどちらかというと前者だ。アルトリアはあまりその辺をわかっていないが。
 「は
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