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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-1 第4話
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ていることを隠しつつ、情報を集めることにした。
しかし、ここの町の人は「知らない」というばかり。
音楽にしか興味がないのだろうか。
ただし、あることは聞けた。ガライの墓のことだ。
「そこへ行ったらいけないよ。強い魔物がうようよいるんだ。一ヶ月前に来た他の大陸の旅人が迂闊に入って、魔物に殺されちまったんだ。しかも訳の分からない結界まで張ってやがる」
ハルカはいつかは行かなければいけないとは思ったものの、まだ近づかない方が良いと判断した。
(焦って入って、死んだらお終いだからな。呪文と技ももう少し習得しなければ)
そして、なんとローラ姫の情報を得ることが出来た。
「ローラ姫は東の方向に連れ去られたと聞きます、誰か助けてくれる方はいらっしゃらないでしょうか…」
「いますよ」
「ああ、ならばその方に!」
「分かりました。僕が伝えておきます」
ハルカはあえて自分が助けに行くとは言わなかった。格好だけは立派な、まだ貧弱な武器を持った冒険者が助けに行くといっても鼻で笑われるだけであるから。
(アレフガルドをもう少し歩けるだけの実力がないとダメだろう。僕はラダトームから離れた事はないからな……ドムドーラ…)
腰に下げている銅の剣を見ながら、ハルカは思った。

ハルカは宿屋で一晩を過ごすと、ガライの町を後にした。
この日はいつも以上に暑かった。もしものことがあったら、キメラの翼でラダトームに一瞬で帰ろうと考えた。乱用はしない。キメラの翼にしても、何時か覚えるであろうルーラにしても、使用者の体力を奪う。乱用防止策なのだ。

体が少し大きなゴーストが現れた。普通のゴーストより1.5倍大きい。
「殺してやる、お前は勇者だろ」
ハルカは何も言わずに銅の剣を振り回す。
「そんなんじゃ俺は倒せないぜ」
「……」
ハルカは大きなゴーストをにらみつけた。そして一気に駆け抜けた。
「……十文字斬り!!」
ハルカの銅の剣は大きく十文字を描く。一瞬、それが光り輝く。
「なっ…」
ゴーストは一気にガス化して消えていった。
(剣技を覚えたか)
ハルカは少し嬉しそうに、しかしあまり大きな動きを起こさず、再び歩き出した。
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