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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-1 第4話
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町まで最低でも数日かかるから。多めに保存食、作っておいたわ。暑さにも強い物よ」
「…!ありがとうございます」
本当にイアンさんの家族には親切にさせてもらった、僕も何か恩返ししなければ、とハルカは首に下げている竜の鱗を握り締めた。
「では、僕は」

ハルカはコンパスを取り出し、方向確認をしながら先に進める。
魔物に気をながら、食事と仮眠をとった。
その際、ホイミを習得した。

ラダトーム城下町から離れて2日目、竜王軍に滅ぼされたという小さな村に立ち寄った。
もちろん廃墟化していたが、そこには凶暴な魔物はいなかった。
その代わり、スライムとスライムベスの家族に出会った。
父親と娘がスライム、母親と息子がスライムベスだ。
魔物には人間に敵意のない者もいる。特にスライムやドラキー、ゴーストなど比較的弱い魔物にそれは多い。
「人間のお兄ちゃん、悪い奴やっつけるの?」
小さいスライムの女の子の言葉。
「そうだよ。王様に頼まれたんだ。お姫様も助けなければね」
今度はスライムベスの男の子が言った。体の大きさから言うと彼がお兄さんのようだ。
「頑張って。ぼくたちは竜王が憎いんだ。この村はスライムやドラキーに優しい村だったんだよ。でも、竜王軍のせいで、みんないなくなっちゃった。ぼくたち4匹だけで寂しいよ」
「分かった。今日はここに泊まって良い?僕は自分の食料食べるから。…少しあげようか?」
「いいや。あなたの分だけお食べになってください。私達は自給自足で生きていけますから」
父親のスライムがぷるんぷるんと体を震わせる。これは人間で言う、首を横に振るということだ。
「ありがとう」
ハルカはスライムの家族と一晩を過ごした。彼らから、小さな草餅を貰った。
「凄いね」
「いいえ。たまにここに人が訪れるんです。おもてなしの力も無いとね。いくらスライム族とはいえ」
スライムベスの母親はにこりと笑った。ハルカは微笑みながら、どうやって作って
いるかは聞いてはいけないかな、と思った。
「じゃあ、無事でいてね」
「はい、勇者さんこそ、頑張って」

そしてラダトーム城下町出発から4日目、ガライの町に着いた。
ガライの町は勇者ロトの時代に生きた伝説の吟遊詩人ガライが作った町だ。
町並みはラダトーム城下町とは違い、明るい色のレンガや木造作りが多い。
そこらじゅうに陽気な音楽や力強い音楽、寂しげな音楽が飛び交っていた。
そこでハルカは消耗品とほんの少しの食料(サユリが作ってくれた保存食に加え、スライム家族の作った草餅のおかげで余裕があった。草餅はハルカ曰く、驚くほど美味しかったとのこと)、松明数本を買った。
そしてここで、銅の剣を購入した。ただし、竹竿は売らずにとっておいた。
そして自分が勇者ロトの子孫ということ、竜王を倒そうとし
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