暁 〜小説投稿サイト〜
DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-1 第3話
[1/4]

[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話
Dragon Quest 1 ハルカ・クロニクル

Chapter-1
旅立ち〜ガライの町 
第3話

ふと、ハルカは空を見る。
青いが、きれいな青ではない。濁った青だ。夜も星があまり見えない。
十数年前に竜王軍が襲来して以来、空は濁ってしまったのだ。
太陽も本来なら直視は出来ない。しかし、今は多少なら出来るのだ(それでも見すぎてはいけない)。
「それなのに、凄く暑いってどういうことだよ」
ハルカは少し呆れた様子で小さくため息をつきながら、洞窟の入り口を見る。
いくらか装飾がなされており、風化して誰か分からないが、人間の石像もある。
中は真っ暗だ。松明は必要だろう。
「…中に明かりは付けられなかったの?」
誰もいない為、ハルカは自然と独り言が多くなる。
魔法の道具袋から松明を取り出し、火をつけて、中に入ることにする。

ロトの洞窟は、ロトが上の世界に戻って以来、幾つか人の手が加えられた。しかし、それであれば何故明かりは付けなかったのか…。色々理由も聞いたが、ハルカの納得する理由は聞けなかった。
魔物の気配は一切感じられなかった。ルビスのご加護か、聖なる力が働いているものだと思われる。
(昔はここに入ると魔法が無効化されると聞いたな)
足音は響く。しかし、それだけで他は何も起きない。
(物足りない気がするけど、僕は何か間違っているのか?)
死体も落し物もお宝も何もない。壁もただひたすら石壁が続くだけ。
それだったら洞窟の意味はあるのだろうか?とハルカは苦笑いしながら奥へと進む。

魔物のいない洞窟を進んだ奥、少し開けた場所に出た。
ロトの石碑が近い証拠だ。
しかし、書いてある文字はでたらめに書いたような滅茶苦茶な文字で、誰も読めなかった。
そのせいか、誰かがいたずらで追加した偽物説まで浮上したのだ。
人によっては、暗号みたいなものだと言う人もいる。
実際のところ、誰も真実は分からない。
もちろん、石碑を読む前のハルカも。
(で、僕は何しに来たんだ、という話になるけど)
ロトが祀ってあるというので、子孫といわれるハルカは訪れないわけにはいかなかったのだが。
(僕も読めなかったらどうするの)
しかめっ面になりながら、ハルカは石碑に顔を近づける。
(……!)

ハルカには、石碑に書かれた文字が文章となり、こう見えた。
“私はロト。 私の血を引く者にはこの文章が読めるであろう。
 ラダトームから見える魔の島に渡るには3つの物が必要だった。
 私はそれらを集め、魔の島に渡り、大魔王ゾーマを倒した。
 そして今、その3つの神秘なる物を3人の特別な賢者に託す。彼らの子孫がそれを守ってゆくだろう。
 再び魔の島に悪が甦った時、それらを集め戦うが良い。
 3人の特別な賢者はこのアレフガルド
[8]前話 前書き [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ