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DQ1長編小説―ハルカ・クロニクル
Chapter-1 第1話
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そして長い廊下を歩く。廊下の壁は美しいステンドグラスで飾られており、ロトの紋章や勇者ロトをイメージした人の姿が描かれていた。
ふとハルカは自分の鎧についているベルトを見た。
……ロトの紋章がある。これは一体?
「あの、僕は一体、」
「まずは城に住む大賢者に理由を聞くことだな。俺もよく分からんから」
兵士はあまりやる気なさそうに頭をボリボリかいた。ハルカは少し不快に気分になった。
「はあ…」
城に住む大賢者とはロトの伝説に関する書物を管理している老人だ。また、予知能力や魔力を回復する等不思議な力を持つ者だ。
このとき、ハルカはまさか、と思った。
生みの母親が遺してくれた手紙には「あなたのお父さんはこの世界の住人ではなかった。だから貴方は特別な人だから絶対に生きて」と書かれていた(更にはフルネーム、誕生日も書いてあった)。
そして養母が亡くなる寸前にハルカに託した書物。少し見てみたのだが、中には伝説の勇者ロトの話が書かれていた。…僕が知らないような話も載っている、よくは見ていないがハルカはそう感じた。
(僕は……ロトの子孫!?)
ハルカは勇者ロトが元の世界に帰ったと言う話を聞いたことがある。本当かどうかは分からないが。
もし、それが本当だとすると、生みの父親が異世界から来たのは、ロトの子孫として異世界から召喚された、ということになる……。
「おい、お前、着いたぞ。何ボケッとしてんだ」
「あ、はい」
兵士の態度にイラッとしながらも、大賢者のいる部屋へハルカは入っていった。

その部屋は城の内部とは思えないほど地味で質素な部屋だった。おそらく大賢者は派手な物は好まない性質なのだろう。
ハルカは緊張しながら、大賢者に挨拶する。
「あ、おはようございます」
「おお、勇者ハルカか。待っておったぞ」
勇者ハルカ……大賢者はそう呼んだ。“勇者”…。
いや、勇者というのは勇気ある者と書く。勇者ロトと関係があると深読みしすぎたのか?それだとしたら、鎧のベルトの紋章は何なのだろうか?
「勇者……僕が」
「ああ、おぬしも解っているかも知れんが、おぬしは古の勇者、ロトの血を引く物なのじゃ」
「僕が……!!確かに、僕の生い立ちは妙だったんです。僕を生んだ母さんが遺した手紙には父さんが異世界から来たこと、僕が特別な人ということが書いてあったんです…それって」
大賢者はハルカの言葉に大きく、ゆっくりと頷いた。
「ああ、そのとおり、お前の父親は異世界から精霊ルビスによって召喚されたのだ。本来ならあの人が竜王を倒すはずだったが…」
「……魔物に殺された…」
「その通りだ。だからわしはラルス16世と相談してお前を呼んだ。次はラルス16世に会うのじゃ。……おぬしをわしは期待している。光あれ!」
大賢者は手をあげると、ハルカの体は一瞬
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