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【完結】剣製の魔法少女戦記
第四章 空白期編
第百十三話    『陸士訓練校の変わったトリオ(前編)』
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「うん!」
「それで…えっとネームレスだっけ? そっちは…?」
「私も自前なんだよ。“シルバー・ブレッド”。サーベルタイプの近代ベルカ式デバイス」
「あなたも前衛…それだと後衛タイプのあたしには少し二人をカバーするのが骨が折れそうだわ」

そう言ってランスターさんは銃型のデバイスを取り出す。

「わぁ! 銃型なんだね」
「ええ。カートリッジも積んでいるから。あたし達三人は自前のデバイスだから組まされたんでしょうね」
「そうみたいだね。あ、それと二人共、ちょっといいかな?」
「「…?」」

ネームレスさんがなにか改まってそうあたし達に話しかけてくる。

「私ね、ネームレスって苗字にはあんまり愛着がないの…。むしろ嫌いかな? だから名前で呼んで欲しいな、って…」
「うん! それならリオンって呼ばせてもらうね! あたしもスバルって呼んで!」
「そうね。本人が嫌がっているならあたしもリオンさんって呼ばせてもらうわ。ティアナで構わないわ」
「うん! スバルにティアナ! これからよろしくね!」

うん。なんか距離がぐっと縮まった感じがするよ。
なんかリオンさんって癒し効果でも持っているのかな?
そんな事を話している間に練習開始の時間となった。


「次! Bグループだ。ラン&シフト!」

教官さんからそう命令を受けたので三人で構える。

「この中でスバル…あんたが一番突進力がありそうだから先行して?」
「わかった!」
「―――あ…」

そこでリオンがなにか物思いにふけっている。
するとあたしに近寄ってきて、

「ねぇスバル。行く前にしっかりと魔力の制御はしてね。私達を置いて先行しすぎないでね?」

なんだろう? なにかのアドバイスなのかな?
でも、うん…それなら少し気をつけてみようかな?
それでいつもより少しこめる力と魔力を抑え気味でスタートする。

「いっくよー! ゴー!!」

それですぐにフラッグポイントを確保した。
するとなんとか二人も付いてこれていた。
でも、

「バカッ! あんた、もうちょっと力を抑えなさいよ! 吹き飛ばされそうになっちゃったじゃない!」
「ご、ごめん…」
「……………やっぱり言っただけじゃ無理だったかぁ」
「どうしたの、リオン?」
「え? ううん、なんでもないよ」

なんか呟いていたけどあたしのこの行動がもしかして分かっていたのかな?
さっきのリオンのアドバイスがなかったらもっとあたしだけで先行しすぎちゃったかもしれないし。
そして次は垂直飛越の訓練だった。
ここでもあたしが二人を持ち上げて上に飛ばす役目を担った。
だけどここでも、

「―――あ………スバル、力をセーブして私達を飛ばしてね? 馬鹿力を発揮しちゃダメだからね?」
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