暁 〜小説投稿サイト〜
環の理
鋼の錬金術師
襲撃
[2/4]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話




 この年になっても衰えぬ威厳に身も引き締まってしまう。本当に人間かこの人……?



 「実は仕事の最中でな。そろそろお暇させていただく。ではさらば」



 嵐が通り過ぎるとはこの事か……初めての体験だったな。



 「あれ?どうしたの?」

 「いや、何でもないが……君は誰だい?」

 「あ、私はウィンリィ・ロックベルです」

 「メイザース・シルバーバーグだ。宜しく」



 ガッチリと握手を交わす。私と違って何とも女の子らしい身長だな。



 「あ、はい、頼まれたキップ」

 「お、サンキュー」

 「どこに行くんだ?ダブリス?」

 「西部の真ん中辺りか……ラッシュバレーを通過するなぁ」

 「ラッシュバレー!?」



 ウィンリィが驚く。何か驚く要素があったか?ラッシュバレーには確か……。



 「機械鎧(オートメイル)技師の聖地(メッカ)ラッシュバレー!一度言ってみたかったの〜〜〜」

 「技師だったのか……」

 「ええそうとも!ねえ、エド連れてって〜!」

 「そんなとこ一人で行け!」

 「誰が旅の費用払うのよ!?」

 「集る気かよ!?」



 ちゃっかりしてんな……最初にイメージが一瞬で崩れたよ。



 「男の甲斐性を見せろよエルリック兄」

 「……しょうがねえな」

 「わーい!それじゃばっちゃんに電話してくるね」



 バタバタバタバタ!



 「ありゃ昔からの馴染みか?」

 「ええ、まぁそうです」

 「だから遠慮が全くねえんだ」

 「良い嫁さんになるぞ」

 「オレに言うなっての!」



 そろそろ仕事に戻るか。部下待たせてるし。



 「じゃあ、そろそろ帰るわ」

 「またな大佐」



 ダブリスか……あの肉屋の主婦元気かねぇ?





 〜〜〜〜〜〜





 夜になった。あの後、部下が通した書類を見直す作業で遅くなってしまった。



 「あ〜……今日も遅くなっちまった。こんな女でも拾ってくれる優しい男はいないかね……」



 TSしてから変わった気がする。最初は男みたいなか格好で抗ってみたけど、生理が来てから女である事を受け入れてしまった。初めてを誰にも捧げてないのは前と同じなのが少し寂しいが。何故誰も私に寄って来ない……!



 「周りにいる男の見る目がおかしいんだ……世間から見ても美という文字が付く存在だと……ん?」



 自画自賛からの悪循環を始めるいつもの癖は今回は起きなかった。気になる模様を見つけたからである。

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ