暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:呼吸
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、わかった、とだけ呟いてシキは右腕を目に押し当てる。薄暗闇の視界の中で、右隣からゲツガの声がした。
「なあ……、シキ」
「なんだ?」
「……ホントに…帰れると思うか?」
「………………………………」
「今まで考えないようにしてきたけどさ。ポーションにも限界がある。回復結晶だって、全部で三個しかない。正直に言って、今の戦闘を続けていたら…………」
口をつぐんだゲツガの代わりに、今度はホークが口を開いた。
「確かに、な。
道具
(
アイテム
)
も、俺たちのHPも決して無限じゃない。絶対にいつか、ゼロになる時が来る。アイテムは道具屋で買えばいいが、HPは売っちゃあいないんだよな」
「ああ。だが今は、そのアイテムすらも道具屋で補充できない。問題は、その状況の中で、どうやってあのクソヤローを倒すかってことだ」
セモンが、口を開いた。
「奇襲攻撃はどうなんだ?あいつは見た目特徴からしても、相当自分に自信を持ってる。奇襲から一気にHPを削れば、逆上して冷静さを欠くことができるかもしれない」
「セモン、忘れたのか?あいつには翼があるんだぞ。二メートルそこらしか浮けない飾り物の物だったらともかく、あれで五十メートルでも飛ばされてみろ。どっから奇襲を仕掛けられるんだ?出て行った途端に、あのレーザー浴びて即死だろうな」
「じゃあ………」
《情報屋》ホークは、静かに首を縦に振った。
その瞳は、上を見上げていたが、シキにはもっと遠く、ずっと先を見つめているようにも見えた。
「ああ。奇襲も、消耗戦もダメ………。そうなったら、残る戦い方は一つしかなくなった」
シキは一人思う。その瞳は───
「真正面からの、短期決戦」
何を映しているのだろうか、と。
陽が沈む。
薄れ行く意識の中、ボロボロまですり減らした精神を休ませる中、彼らは何を思うのだろうか?
怒り?
悲しみ?
苦しみ?
戸惑い?
それとも───
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