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ソードアートオンライン 無邪気な暗殺者──Innocent Assassin──
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〜Cross storys〜
episode of cross:呼吸
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次弾が来る!!

そう思って身構えたときに、スン!と巨人の目の前を何かが横切った。

目には捉えられないくらい細い、しかし禍々しい圧力を放っているもの。

ガァアア!!!と巨人が顔を覆って蹲った。その光景に咄嗟に後ろを見ると、数メートル後ろに居たレンがにっと笑うのが見えた。

それに片手を上げて応えながら、セモンの意識はもう巨人のほうへと戻っていた。

そこでは早くも背後から攻撃していたゲツガ、シキ、ホークがそれぞれの得物を、漆黒の球体みたいになってしまったボス《ジェネラル・ザ・デュアル・ジャイアント》に突き立てていた。ちらりと球体の右上に浮かぶHPバーを見る。

四段重ねのそれは、たった今レッドゾーンに突入するところだった。

───まだ、あんなに………

脳裏でこだます、そんな声。

その弱気な声を振り払うように、セモンは頭を軽く振った。余計なことは考えない。それが、そのことが結果に繋がるのだから。

「行くぞ!!」

「「「「おぉ!!!」」」」

返ってきた声がきっちり四つということを確認し、セモンは足に力を込める。

脳裏に浮かぶのは、少し肩が出ている騎士装束の少女と、相棒の男。

帰る、絶対に。

いかなる手段をもってしても、何が何でも、帰る。

また一つ決心をし、セモンは一歩を踏み出した。

自らの居場所へと帰るがために。










永遠と思えた戦闘の後、アインクラッド第二十五層フロアボス《ジェネラル・ザ・デュアル・ジャイアント》がその巨体を四散させた時、それを素直に喜べるものは誰も居なかった。

ただただ全員が地面に寝っ転がって、天を仰ぐことしかできなかった。宵闇だった陽光は完全に地平線に沈んでいて、辺りはもう真っ暗闇の中に沈んでいる。

ぜぇ、ぜぇ、と。激しい呼吸が初夏の空気の中へと消えていく。

戦闘の中では、いつ滑るかと思ってひやひやするだけだった砂利が、こんな時だけは冷たくて気持ちが良い。

火照った体が、ぐんぐん冷えていくのを感じる。

「みん……な、無事…………か?」

息を整えていたシキが、誰ともなく声をかける。

幸いなことに、すぐにあちこちから声が返ってくる。それを聞き、シキ。

「よし。じゃあどうする?もう行くか?それとも、暗くなってきてボスも出ないようだし、明日にするか?」

「………ごめ……明日に……」

返ってきた声の幼さで、レンだと判る。

確かに彼の年齢で、この短時間で体力と精神を回復させるのは難しいだろう。今日はほとんど死と隣り合わせの戦闘を連続で、ほとんど休まずに続けていたのだ。疲れるのも当然なのかもしれない。

他の三人の声にも張りがなく、シキ自身も疲れていたので
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