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〜烈戦記〜
第七話 〜前哨〜
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はおろか徐城にすら戻れなくしてやる!』
『は、ははっ!!』

胸糞わりぃ。
何故黄盛がいながら俺は奴に怯えねばならんのだ。

『直ぐに兵を整えろ!』
『直ちに!!』

一連の話を目にしていた兵士達はみな諦めたように動き出した。





私はなんて情けないのだろうか。
一度は多くの者の為に少数の罪の無い者達を見捨てる決断をしたのにも関わらずその決断に迷い、その挙句に大切な部下の命を危険にさらし、さらには自分の息子までも人質に出さねばならなくなるとは…。
なんてざまだ。
これでは官士としても親としても失格だ。

そして今私は自分の息子に"人質になってくれ"と伝えに向かっているのだ。
しかも散々自分を貶してきた相手の元へだ。

…こんな父を許してくれ。


帯に用意した部屋の戸の前まで来た。
私の心は未だに揺れていた。
罪の無い数十人の者達の事。
自分の息子の事。
だが、それで私が中途半端なままでいては更なる災いを周りにまで与えてしまう。

意を決して戸を叩いた。





コンコンッ

僕の部屋の戸が叩かれた。
…だが、今は誰にも会いたくない。

コンッコンッ

無視を続けたら今度は控えめに叩かれた。
多分父さんかな…。

(…帯。入っていいか?)

戸の外からは案の定父さんの声が聞こえた。
控えめな声色からきっと慰めに来たのだと思う。
…でも、だったら今はほっといて欲しい。

ガチャ…

父さんが戸を開けた。
…億劫だ。
良いとも言っていないのに部屋に入って来た父さんに若干癇に障った僕は寝床の枕に顔を沈めたまま無視しようと思った。

『…帯、勝手に入ってすまんな』
『…』

なら入ってこないでよ。

『…』
『…』
『…まぁ、あれだ。凱雲の事は気にするな』
『…ッ!』

ボスッ

『うぷっ!?』

急に頭に血が登った僕は気付いたら父さんに枕を投げていた。

『出てってよ!慰めなんていらないから!』
『た、帯っ。すまん…』
『いいから出てってよ!ふんッ!』
『…帯』
『ふッ…クグッ!!うあぁッ!』

投げるものが周りに無くなった僕は自分の被っていた布団を投げようとする。
だが、上手い事布団が飛んでくれなくて結局めくれて寝床から落ちただけに終わる。

『はぁ…はぁ…』
『…』

布団に包まりたい…。
できないけど。

『…出てってよ』
『…』
『でっ…出てってよっ…お願いだから…』

恥ずかしさと悔しさのあまり、気付いたら涙が出ていた。

『帯…』

父さんが寝床の上の僕の所まで歩み寄って来る。

『…すまない』

そして優しく抱きしめられる。
本当なら直ぐ
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