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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第27話 『クラス対抗戦』 後編
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――『砂』という世界の1つ1つの『欠片』を拾い集める

探して、拾って、否定して。 そんな繰り返し。

『砂という真実の欠片、真実への第一歩目が 今動き出す』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アリーナでの正体不明の襲撃者、その状況は1つの変化を迎えていた。
アリーナの空で飛び交う閃光と、鉄と鉄がぶつかり合う音、そして――その空を駆ける3つの影。

1つは織斑一夏と白式、機体の高い加速力と性能を生かしてただひたすらに『異形』の攻撃を避けながら攻撃のタイミングを伺う。
1つは凰鈴音と甲龍、接近戦を仕掛ける一夏の後方から非固定浮遊部位――『龍砲』で援護し続け戦っている。

そして最後の1つは『異形』だ。
両手に装備された高出力のレーザー砲、アリーナへのシールドを貫通し、巨大な爪痕を残したそれを撃ちながら、同じエネルギー兵器のレーザーバルカンを二機に対して連射する。

「糞ッ! 辛いな――なんだよアイツの機動力は、早すぎて中々追いつけない!」
「それだけじゃないわね――奴の兵装、あの両手のゲテモノもそうだけど、撃ってきてるあのレーザーバルカン、あれだってかなり規格外の武装よ、一夏」

状況は、あまり良くないという状況から『最悪』という方向に変わりつつあった。
圧倒的な性能と出力を誇る白式ですらも、一夏が完全に使いこなせていないというのもあるが『異形』との追いかけ合いでは後手に回るしかなかった。
そして、鈴の甲龍もまた、簡単にはその異形に追いつけずにいた。

2人が2対1の状況下で劣勢なのにはまだ理由がある。
その理由は『2人が試合をしていた』という事だ。

「鈴、エネルギー残量は後どれくらいだ?」
「……180くらいね。正直、比較的燃費のいい甲龍でも長く持つとは思えない―― 一夏は?」
「俺は後130くらいってとこか――そして俺も、あんまり長くは持たないと思う」

エネルギー残量が最大であって、お互いに消耗していない状態での2対1なら、まだ勝機はあったのかもしれない。

だがしかし、対抗戦というイベントで試合を行っていた2人は、肉体的にも精神的にも、そして機体自体もかなり消耗していた。

マシンスペック上の話をすれば甲龍と違い、白式はその圧倒的な機動力と性能の代償としてかなり燃費が良くない。

燃費が良くない上に、既に一夏は試合でイグニッション・ブーストに、不発に終わったが一度零落白夜(れいらくびゃくや)を使用している。
恐らく、零落白夜を使用できるのは良くて後2回――このまま戦闘を継続すると考えた場合、相手の攻撃をほぼ受けないと考えたとしても発動できて1回だろう。

「本当、ちょっと不味いかな」

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