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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第27話 『クラス対抗戦』 後編
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ぎこちない笑顔を向けると――相棒と同じ姿をしたISの真紅の翼を広げた。
そして――エネルギーウングを広げると同時に彼女はそのまま空へと翼を羽ばたかせた。

「待て!――ソラッ!」
「……貴方にその名前を呼ばれると、何故かは理解できませんがどこか暖かさと懐かしさを覚えてしまいます。ですが――今回はここまでです。今の会話についてどうするかは、貴方の自由です、好きにしてください。それから、先程も言いましたが『過去を追って下さい』。そうすれば、きっとまた会えますし、それに――また近いうちに、会う事になるかもしれませんから」

その言葉だけを残して、彼女――ソラは真紅の翼を広げて今度こそ最大加速で、あの時やったみたいにまるで瞬間移動したみたいに、今居る空域から離脱してしまった。
レーダーを確認しても、既に彼女の反応は無かった。
『近いうちに会う事になるかもしれない?』それは、どういった意味だろうか。

今の会話で、俺の心は――大きく動いた。
自分の知らないことが、知らなければならない事がやはりあるのだと。
そしてそれは己と周囲の『過去』の中に、何かしらの手がかりや情報があるのだと。
彼女が去った後、俺は暫くその場で滞空しながら、そんな事を考えて――ふと、呟いた

「過去を追え、か」

彼女のマスターというのが誰かは知らない。
そして彼女についても、現段階では俺は知らない。
けれど、もしかしたら――というよりきっと、俺は彼女と何かのつながりがあるんじゃないのか?

自分の母親と瓜二つの彼女で、声もどこか母さんに似ていた。
己が知らないだけで、何かしらの関わりがあるんじゃないか。
そして、その真実や手がかりは――過去の中にある。

亡国機業に謎の少女ソラ、彼女の言うマスターという人物に、そして自身のISの真実。
ISの可能性というものを追い続けながら、俺はその真実を探しに行こう、そして……

「ソラ、俺は――君が言ったようにどんなことがあっても『それでも』って言い続けるよ。そして、真実と未来を求め続けてやるよ」

そうすれば、全てについて何かが分かると信じているから、彼女と再び会うことが出来ると思うから。
彼女とちゃんとした出会い方、といえば少しおかしいかもしれないが、面と向かって戦いではなく言葉で対峙して、話をして――今日この瞬間に、俺の歯車は大きく動き始めた。
未来と真実を求める為に、俺は――己の知らぬ過去を求めて『運命』に抗おうと、そう決めた。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


――その日、少年は少女と出会う。 同じ翼を持つ彼女に対して少年は何を思ったのか。

――少女が告げた言葉で少年の心は大きく動
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