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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第27話 『クラス対抗戦』 後編
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して問いかけた。

「――周囲に対して最大限の警戒は行っています。恐らく私達の会話を盗聴している存在は居ません。 もっと訊きたいことがあるのではないですか?」
「……そうだな、確かにそうだ。だけど、そもそも俺はお前が何者で、どうして俺の相棒と同じ姿のそれを纏っているのかがわからない、目的もわからないしな」

そう、俺は<Unknown>について何も知らないのだ。
だからこそ、理由・目的・そして何者なのかという最低限の情報、まずはそれが欲しかった。

「――残念ですが、その全てについて私は詳細まで回答する事はで来ません。ですが、幾つかについては返答します」
「何――?」
「まず、私が貴方達を助けた理由、それは私の意志と『マスター』の命令があったからです。そして私は――」
「ま、待て! マスター? お前にはマスター……つまりは、主が居るのか?」
「その質問はYesです。回答を続けても?」
「……ああ」

俺は得た断片的な情報から、多くの事を思考する。
マスター?一体それは誰だ? アリーナのあの状況、あれだけの速度でシステムクラックを行えるマスターとは誰なのか。
思考し、自分の中で答えが出そうになるのを俺は否定し、そしてまた思考する。
そんな思考している俺に対して、<Unknown>は言葉を続けた。

「今申し上げたように、私はマスターの命令と私自身の感情で貴方達を助けました。それが、理由と目的です。 そして――マスターから伝言を預かっています」
「伝言?」
「ええ、ですが――その前に」

すると、目の前の<Unknown>――少女は、被っていた仮面に触れて、その仮面を量子化する。
そして俺は、『彼女』の素顔を見て――言葉を失った。

嘘だ。
あり得ない。
そんな事、現実的にあり得るはずが無い。

「貴方は私に聞きましたね? 『私は何者であるか』と。申し訳ありませんが、私にはその質問に明確に答える事はで来ません。私も私自身、一体何者なのかよく理解していないのですから」
「お前は、一体――?」

仮面を外した少女に対して、まず俺が感じたのは『嘘だ』という言葉。
普通に出会っていれば彼女に対してかわいいだとか、綺麗だとか、そんなありきたりの言葉が出てくるんだろう。
だけど、今の俺の中にあるのは、信じられないという感情だけだった。

ふわり、と風に舞う腰まである茶の色をしたロングの髪、凛々しいと言っても過言ではないような目つきに蒼い瞳。
普通に見たら、ただ綺麗だとかそんな言葉が出てくると思われる容姿だが――俺は『その容姿を知っていた』

その理由は、1つであった。
そう、彼女の容姿は――あの時に死んだ自身の母親……最愛の肉親でもある『アリス・ルノー』に酷似していたからだ。

バカな、
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