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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第23話 『「俺」と「オレ」』
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「なんだかんだ、付き合い長いからな それで? 俺にも言えない事か? まぁ……無理強いはしないさ。単純にちょっと心配になっただけだから、お節介だったら悪い」
「……ううん、ありがとう。心配してくれたんだよね? あんまり思い出したくなかったし、それに人が多いところで話したくなかったから」

その時のアリアは、どこか辛そうで、顔は笑っているのに無理してるみたいで。
もしかしして俺は、自分のお節介で彼女に嫌な思いをさせているんじゃないだろうか?
だしたら……最低だ。やはりすぐに俺が謝って――
そんな事を考えていたが、先に彼女が意を決して話し始めた。

「……ユウ、私と出会った頃の私、覚えている?」
「ああ、覚えてる――忘れるわけも無い、だってあれが無かったら俺は今こうしてここに居る訳もないし、いろんな人に出会うことも無かった」
「あの時の私、ううん――昔の私、変だったよね? 死に急いで、生きる為とはいえ沢山殺して。そして、そんな殺し合いの中じゃないと自分を表現できなかった」
「アリア、その……」
「ユウ、何も言わないで――彼女……シキとはね、そんな私だった時に出会ったんだ。 そして当時『私も彼女も、殺し合いでしか自分を表現できなかった』」

その言葉を聞いて、俺はただ黙るしかなかった。
だってあの時のアリアは、出会った時のアリアは――本当に悲しい目をしていて、それなのにそんな自分に気がついてなくて。

嘘ついて、傷つけて、偽って。ただ死に場所を求めるだけの『マシーン』だったから。
俺はそんな、『映し鏡』だった彼女を、IFの自分だったかもしれない彼女を放っておけなかった。無視できなかった。
そして、心から助けたいと思った。だからあの時あんな事があって、それから色々あって今の関係がある。

アリア自身も変わって、そして昔のことを思い出すのはあまりしたくないらしい。
『今思えば、私馬鹿だったよね』そう、前にも呟いていたのを覚えている。
だから俺は、自分の発言で彼女にそれを思い出させるのは少し嫌でもあった。

「……アリア、悪い」
「ん……? なんでユウが謝るの? もし私の事気を使ってくれてるなら大丈夫だよ、それにね、今の状況からして彼女との事はちゃんと話さないとって思ってたから」
「分かった。だけどもし、辛くなったら話をやめてくれ――そんな、無理させてまで話は聞きたくない」

アリアは『ありがと、気を使ってくれて』と一言言って笑うと、アリア自身も周りに人が居ないことを、自分達やこの話の関係者以外が居ないことを確認すると言葉を紡いだ。

「私とシキの関係は……『お互いに殺し合い』をした関係。今だから言うね? 昔ある依頼があってね、匿名でのある人物の暗殺――だけどね、それは罠だった」
「罠?」
「うん、暗
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