暁 〜小説投稿サイト〜
遊戯王GX 〜水と氷の交響曲〜
ターン21 死神の羽は黒い羽根
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「ちょうどいい、今日の俺にはツキがあるんだな。とりあえずサンダーに会うのは別に後でもいいし、おい、デュエルしろよ!」

 へ?………へ?とりあえず後ろで『蟹!?』とか言って跳ね起きた奴のことは無視しよう。てか、今何時だと思ってんのこの人。もう深夜だよ?よい子はもう寝る時間だよ?

『ちなみにお前は?』
「悪い子です」

 24時間365日、売られたデュエルはいつでもどこでもデッキがある限り受け付けます。





「よーし、ここら辺でいいかな」

 そして今、僕らがいるのは寮からちょっと離れた海辺。暗い海の波の音をバックに向かい合い、デュエルディスクを起動する。なにしろ夜も遅い時間、寮の近くでデュエルしたら近所迷惑なんてレベルじゃないからね。

「なあ、始める前に一つ言っておきたいんだが」
「うん?」
「俺は、1ターン目には本気を出さないからな。もし俺のターンを生きてやり過ごすことができたら、そん時は本気を出してやる」

 なんだか妙に真剣な顔で、挑発としか思えないセリフをのたまう鎧田。ほほう、言ってくれるじゃないの。ちょーっとカチンときたかな、うん。

『煮えたぎってきたぜ、ってか?』

 あー、まさにそんな感じ。煮えたぎってきた。ま、その自信がどこから来るのか見せてもらおうじゃん!

「「デュエル!」」

 先攻は………僕か。ざっと手札を見て、ドローしたカードと比べ合わせる。さっきのセリフが口だけじゃない場合のことも考えて、まずは様子を見るべきだろう。幸い、今の手札ならそれができる。

「僕は、ヒゲアンコウを守備表示で召喚。そして魚族のヒゲアンコウ召喚に合わせて、シャーク・サッカーを特殊召喚!」

 巨大なチョウチンアンコウとそこにくっつくコバンザメのコンビ。シャーク・サッカーもさっきまでデッキの中にいたところをいきなりたたき起こされたせいかちょっと眠そうだ。ごめんね。

 ヒゲアンコウ 守1600
 シャーク・サッカー 守1000

「さらにカードを2枚セットして、ターンエンド」

 とりあえず、先攻1ターン目としてはまずまずの布陣だろう。だいたいのデッキには対抗できるはずだ。

『ツッコミ待ちだよな?ブラホ一枚で突破できるその布陣でその自信はツッコミ待ちだよな?』
「俺のターン、ドロー!おいおい、その程度じゃ俺のワンキル圏内だぜ?手札のBF、暁のシロッコを通常召喚!こいつはレベル5だが、相手の場にモンスターがいて自分の場が空の時リリースなしで通常召喚できるからな」

 BF−暁のシロッコ 攻2000

 BF………話には聞いたことがある。大量展開が得意な鴉と鴉天狗の集団だとか。だけどなんだろう、この妙な感じは。一回も戦ったことがないテーマなのに、懐かしいよ
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