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Tales Of The Abyss 〜Another story〜
#4 大切な思い出
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の凸凹した岩肌ではなく、そこには蓙も敷かれている。とても大きく、繋ぎ合わせている様だ。……きっと、ガーランドとレイ、そしてアルの為に、なのだろう。

「そうだね…… うん! ほんとに気持ちいいよ」

 アルも、サラと一緒に横になった。空を見上げると、雲が流れていくのがよく判る。青い空、白い雲。……眼を瞑れば本当に心地よい。

「えへへ……、ここのこと、おにいちゃんにおしえたのが、さいしょだからねー!」

 笑顔でサラはそう言っていた。この蓙で横になるのも自分が初だと言う事だ。アルは、ゴロリ、と寝返りをうつとサラと対面する様に向かい。

「……オレが最初でよかったのかい?」

 サラの頭を撫でながら聞いた。

「うんっ! だって、おにいちゃんとここにきてみたかったの…… いろいろとおしえてくれたし、そのおれいだよ」

 そして、サラは少し顔を赤くさせた。

「それに……、はじめは、だいすきなひとといっしょにきたかったから……」

 アル自身も、その言葉を訊いてとても照れてしまっていた。多分、顔も赤くなっているだろう。……そして、嬉しかった。


――……家族の温もりは知れたけど、自分には、家族の記憶がないけれど。


 アルは笑顔を作った。今日はもう何度も笑ったけれど、多分きっと、一番の笑顔。

「ありがとうな…… サラ、この景色……今日の事、この新しい記憶……を、オレは絶対忘れないよ。 ずっとずっと大切にする。本当にありがとう」

 サラの額に自身の額を当て……その顔を両手で抱きながらそう言った。

「うん! よかった……。おにいちゃんがよろこんでくれて。いつも おしえてくれるおれい、だったから」

 サラもぎゅっとアルの頭に手を回し、抱いた。

「ほんとに、きもちいいっ…… もうちょっとここで おやすみしよう!おにいちゃん!」
「そう、だね。 いい時間だし……お昼寝タイム!」
「うんっ!!」


 そのまま 2人で暫く景色を楽しみつつ、夢の中へ、……2人一緒に。



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