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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第22話 『2人の転校生』
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だ綺麗な奴だと思った。
確かに、楯無の言う通り、変わり者なのかもしれないが――そんな事を考えていると、先程まで完全に沈黙して微動だにしなかったアリアが、不意に再起動した。
そして、俺の右腕を必死の形相で掴んでくる。
なんだ、この状況。そして何があったアリア。
「……アリア?」
「ユウ、お願いがある」
「どうしたよ、そんなに真面目な顔して」
「怒られるの覚悟で……今すぐ私と一緒に教室から逃げよう? うん、私体調悪いんだ――だから保健室連れてって?」
「い、いきなりどうしたんだよアリア、いつものお前らしくないぞ!?」
「私はいつも通りだからッ! だから黙って私を連れて逃げてッ!」
訳が分からん、というより何で今にも泣きそうな顔して必死に俺の右腕掴んで来るんだよ、というかあたる、当たってるからそれ!
むしろ、アリアがどうこう言う前に俺がヤバイ、主に理性的な意味で。
何を考えてるんだ俺は。心身滅却。冷静になれ、クールになれよ俺。
とりあえず落ち着こう……ひとまずアリアがこう言っているし、こんな状況だけど織斑先生に言って――
「それと、もうひとつ」
と、そこで転校生の『木篠』が笑顔で言葉を放った。何だ、何だろうか?そう思っていたが隣のアリアの様子が完全におかしい、今までに無いくらい取り乱してる。
そして、とうとうアリアは俺の右腕を掴みながら震えていて、心の底から助けを請うような目で泣きそうになりながら俺を見て言った。
「お願いだよぉ……ユウ――今すぐ私と逃げて、本当にお願いだから……」
「お、おい泣くなって! 分かった、分かったから――あー織斑先生、ちょっといい――」
「オレは、そこに居る『アリア・ローレンス』に心奪われた存在だッ! 会いたかった……会いたかったぞ、アリア!!」
そう木篠が言い放つと同時に、クラス全員と織斑先生の視線が俺とアリアに向けられる。
そして ガタッと席を立って俺の後ろに隠れるアリア。後ろに立って背後から両肩を掴み身体を密着させている。完全に俺を盾にして隠れるみたいに。
そんな状況だからわかるが、彼女は震えているし、そして密着している身体から鼓動を感じられて、それは穏やかなものではなかった。
完全に涙目だし、本当どうしたんだ……
それが、俺と木篠の最初の出会い。最初は変な奴だと思ったが、後々に俺にとっても、俺達にとっても必要不可欠で。 そしてかけがえのない存在になる奴に今日と言う日に俺は始めて出会った。
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