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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第22話 『2人の転校生』
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本当にただの、それこそ偶然のようなものかもしれないが、それはどう聞いても、男口調に特有のイントネーションを含んでいたのだ。
きっと俺の聞き間違いかなあ と俺はそう思う。
見た目もボーイッシュな感じではあったが、喋り方も男勝りなのかもしれない――そんな事を考えていると、木篠と呼ばれた少女は自己紹介を始めた。
「オレは『木篠 梓姫』(きしの しき)。諸々の事情で入学式より遅れたが、今日からIS学園に通うことになった。 趣味はそうだな……ああ、剣道とか弓道をやっている。学園に来てまだ不慣れなので色々世話になるかもしれないが、これからよろしく頼む」
うん、やはり俺の聞き間違いではなかった。 つまり、見事なオレっ娘だったのだ。
というか、非の打ち所のない完璧な男口調だった。何度でも言うが、転校生は少年ではない。少女である。
この学園と企業であまりにも毒されてしまった為か、耐性から差し引いても驚愕までは至らない俺もどうかとは思うが、いやはや珍しい……のだろうか?
まあ、世も末なんだろうなあ。きっと俺も手遅れだ。
……はて、先程からアリアが微動だにしていないのが気になる。
どうかしたのだろうか。
やっぱり体調でも悪いのだろうか。
無理は良くないと思う。
アリアの不調に心配している俺を余所に、クラスの女子達はといえば、やはりと言うか、お約束のアレな発作である。
つまりは発狂していた。
「キャアアアアア!! イケメン! だけど女の子ッ!」
「女の子なのにイケメンで一人称が オレ! 頼りたくなるお兄さんと見せかけてお姉さまッ!」
「私のハートも弓矢で射抜いてくださいッ! というかもう射抜かれてますッ!」
「同じ女なのに私惚れちゃいそう!千冬様と同じオーラが出てて私好み! 女の子だろうと私は一向に構わないッ!梓姫お兄様と呼ばせてくださいッ!」
「お兄様と言えば月代君もよね!? これはまさか男×男 と見せかけて 月代君×木篠 さんというカップリング!? いいわね――アリだわッ!」
おい待て、今凄い発言も飛び出していたのだが。
相変わらず、うちのクラスは元気というか、手遅れだなあと思う。
そんな、俺の鉄壁耳栓をも貫通した嬌声だったのだが――アリアは微動だにしない。
おいおい、本当に大丈夫かよ。
話題の渦中となった本人も全くのすまし顔で、耳栓もせずに平然としている。
……まあ、女子達の言う事も、わからなくもないんだよなあ。
いや、決してカップリングだとかの話ではなくて。
顔の方だけ見ていればイケメンだし、かといって身体との違和感があるかと言えば、そうでもない。
個人的な意見を言えば、イケメンにも見えるし素直に彼女は綺麗なのだ。お世辞でもなんでもなく、本当にただ美を追求したみたいに、た
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