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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第22話 『2人の転校生』
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「が、学園の黒い悪魔――いたぁっ!」
「その名で私を呼ぶな、その名は『ブリュンヒルデ』と同じくらいに嫌っている名なのでな――さあさっさと自分のクラスに戻れ」

再び『最終兵器』の一撃を頭に受けて、そのまま渋々教室から去っていく凰さん。なんというか、もう通過儀礼だよなあ、あの『出席簿アタック』は。
俺も最初だけは避けたけど、それ以降は何回も直撃貰ってるし、あの痛さはよく分かる……

さて、そんなある意味どうでもいい事を考えていると、織斑先生が教壇に立って朝のSHRを始めた。

「えー、今日はお前達に連絡がある――既に噂になっていたが、うちのクラスにも転校生が一人来る事になった」

その言葉で一気にざわめきだす教室。まあ俺も楯無から聞いてたけど、まだどんな奴かは知らない。どんな奴なんだろうな――楯無は変わった奴と言っていたけど。
ん……なんかアリアの様子がおかしいぞ。どうかしたんだろうか。

「アリア? どうかしたのか?」
「あ……ううん、なんでもないよユウ、ただね――何かとてつもなく嫌な予感というか、今すぐ帰ったほうがいいんじやないかとかか思うくらい嫌な予感がしただけ きっと私の杞憂だよ」
「大丈夫か? なんなら今から織斑先生に頼んで保健室行くか?」
「あはは、大丈夫大丈夫―― でもねユウ」
「どうした」

その時のアリアの目は、今までにないくらいに真剣で――まるで戦場に送り出す恋人や家族に対して『必ず帰ってきて』とでも言うかのような目だった。

「もし、もしもだよ? 私の嫌な予感が当たったら……助けてくれる?」
「大げさな。 まあ、その時はちゃんと助けてやるさ」

何のことだろうか、そもそもアリアの言う何なのかわからない嫌な予感とはなんだろうか。 普段のアリアは絶対今みたいな事は言わないんだがなぁ……
ひとまず俺はそう返すとね再び織斑先生の話に意識を傾けた。

「あー、静まれお前らー粛清されたいかー? それでは入ってきてもらう――『木篠』、入って来い」

先生の声で呼ばれて入ってきたのは、IS学園の制服を纏った一人の人物。
少し高めの身長。背中まである漆黒の髪を後ろで1つに束ねている。
中性的な顔立ちに、織斑先生のそれにも似た黒い瞳に鋭い目つき。
それはクールというより、冷静さが際立つような、美貌だった。
有体に言えばイケメンとなるのだろうが、イケメンとは言えないだろう。
何故ならば、顔から下は男性的なものではなく柔らかなラインで、スタイルもかなりいい。
つまりは少女だったのだから。
繰り返すが、少女だ。決して男ではない。

「では木篠、自己紹介をしろ」
「はい、先生」

あれ?
先生に呼ばれた転校生の木篠って奴が織斑先生への返答に、俺はちょっとした違和感を感じていた。

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