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ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第14話 銀髪の勇者
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いた方がいい。後悔、しない様にな」

 リュウキは見透かした上でそう言う。その言葉にレイナはゆっくりと頷いた。

 レイナは 1度、2度、3度と深く深呼吸をして、心を落ち着かせていた。

「うん………わかった」

 身体の震えは止まった様だが、今度は肩を落としていた。


「はぁ……、ゆっくりと落ち着いて考えたいんだけど……。また、あのボロ宿か……」

 レイナを悩ませている種はまだある様だ。……それは宿について。かなりの不満があるようだ。

「む〜……。あれじゃ、休まるものも休まらないよ……。 ゆっくりと落ち着く事も……難しいし。はぁ……せめて眠るときくらいは、きちっとして貰いたいんだけど……」

 話を、と言うより独り言を訊いて、リュウキは『そのくらいの事で……』と思ったが、レイナは割と本気で悩んでるようだったから、安易に口には出さなかった。その代わりに。

「……? なぜだ。あれ程の部屋で満足できない……と言う事は、お前は現実世界ではかなり裕福なのか?」

 そう訊いていた。確かに豪邸で暮らしている、となれば価値観の違いから、不満点は出るだろう。まだ第1層。富裕層が暮らす様な宿は無いから。

 リュウキのその問いにレイナは両手を振って否定し、答えた。

「えっ……? そんなわけないよ。割とフツウ……だとと思うよ。……でも、この街の宿屋の個室って……六畳もない一間にベッドとテーブルだし……。ちょっと広めの2人で部屋なんてものもあったけれど、1人部屋だと50コル。……2人だと120コル。……値段は倍以上なのに……その癖に、広さは倍じゃないし……余計窮屈になって快適ってわけでもない。……いつも愚痴ってたよ」

 レイナの言葉を聞いてリュウキは、やはり判らず再び首を傾げた。

「……? やはりわからないな。探せば条件の良いところは他にもあるだろう?確かに、その50コルより値は少しは張るが、先ほど言っていた120コルのその2人部屋ほど値は張らないぞ?」

 リュウキはそう答えていた。
 今度はレイナがわからないと言った様子で首を傾げていた。まるで、遅れて映る鏡写しのようだ。

「えっ……? でもこの街って、宿3件しか無かったよ? 3つとも一応全部見てみたけど……同じような部屋だったし……。これまでの村や町の宿も、殆ど違いはなかったし」
「……ああ、成る程」

 リュウキはレイナのその言葉を聞いて、漸く合点がいっていた。
 よくよく考えたら、レイナはパーティ申請の仕方もわからない初心者(ビギナー)なのだ。だから、知らないのも無理はないだろう。

「そう言う事だったら、仕方ないか。知らないのも無理はない」

 そう言うと、リュウキは頷いた。

「??」
「お前は、《INN》の
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