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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第20話 『正体不明 < Unknown >』 後編
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すが、そんな今まで自分がやってきたことは――全て『嘘』でした。本当は、辛くて、誰かに頼りたくて、『ひとりぼっち』が嫌で――本当は、笑っていたい。 そう思っていました。
助けてほしい、心のどこかでそう叫ぶ私が居ました。そして――そんな私を助けてくれたのは今自身が座る椅子の前にあるベッドで眠る彼女、『アリア・ローレンス』でした。
彼女は私に臆することなく、正面から『貴女は自分を偽っている、無理してる、間違ってる』と言ってくれました。そして――今まで自分の正面からそう言ってくれる存在など、私には居ませんでした。
本当はそう言って貰えたのが嬉しいのに、私はそれでも自分を偽って、ローレンスさんのその言葉を『否定』しました。
否定しても、拒絶しても彼女は向かってきました。『それなら、正面からぶつかってお互いの気持ち全部吐き出そう』そう言うと共に彼女が言ったのは『貴方は わたしといっしょ』という言葉でした。
彼女と戦いながら聞いたのは、私は昔のローレンスさんに似ているから、過ちを犯した自分に似ていたから、だから止めたいと思った そう言っていた。
普段シャキッとして、真面目そうな彼女からは想像もつかないくらいに声を荒げて、ローレンスさんは私に気持ちをぶつけてきました。そしてそれは……ちゃんと、私に届いていました。
私があの時最後に思ったのは『負けた』という思いでした。拒絶しても否定しても、それでもひたすらに己に対して向かってくる彼女に――私は、負けました。
だからこそ、知りたい、仲良くなりたい、教えてほしいと思いました。彼女、『アリア・ローレンス』に。彼女の強さと覚悟、そして『ひとりぼっちなんかじゃないんだよ』と言ってくれた彼女と、一人の友人として彼女と仲良くなりたいと思ってしまいました。
もし、あの時――襲撃者の砲撃からローレンスさんが私を守ってくれなければ、きっと私も撃墜されていて、どうなっていたかわかりません。彼女が居なければ、きっと私は死んでいました。
私の心を救ってくれた上に命まで救われた、だから私は――必死でした。失いたくない、自分を受け入れてくれて手を伸ばしてくれた彼女だけは死なせたたくはないと思い、襲撃者からの攻撃をひたすらに避けて逃げました。
その時の私に、プライドも尊厳もありませんでした。ただあったのは、『失いたくない』という言葉だけでした。自分はどうなってもいい、だからローレンスさんだけは守りたい、そう思っていました。
そして今、なんとか無事に戻ってこれた私は、今目の前で安らかな寝息を立てながら眠る彼女を見て安心しました。『私は、今度は失わずに済んだ』のだと。
彼女が目を覚ましたら――何と声をかけましょうか。私としてはいろいろ考えてしまいますわね
「……オルコットさん?」
そうで
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