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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第19話 『正体不明 < Unknown >』 中編
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開始した

「山田先生、今の映像は記録しているか!?」
「それが……織斑先生、これを――」
「なっ……何だ、これは――」

本日何度目になるのか、私はまた驚くことになる。山田先生がアリーナ内部の戦闘映像が映し出されているモニターの横にアリーナのシステムステータスの画面を出すと、そこに表示されていたのは……アリーナのカメラ、それが全てハッキングされているという状態だった。
先程からアリーナ外部の教員と精鋭の生徒で学園のデータベースへのハッキングに対しての処置を行っており、ある程度対応はできたらしい――だが、このアリーナに対する干渉だけは異常だ。『IS学園』の教員と精鋭の生徒、その全員の技術力を駆使してもアリーナに対するハッキングだけは対応できなかった。

そしてハッキングされているにも関わらず、アリーナで行われている状況は――この管制室にだけ映像として流されていた。まるで、まるで見せ付けるみたいに。アリーナの出入り口は一度ロックが外れたと思ったら生徒が全員退避した瞬間、再びロックされ、今アリーナの中に居るのは――私と山田先生、一夏と篠ノ之、そしてローレンスと、今アリーナで戦闘をしている月代だけだ――本当に何なのだこの状況は、全てあの<Unknown>が書いたシナリオとでも言うのだろうか。

何も出来ない、世界最強『ブリュンヒルデ』と言われたくせに、今私は生徒に対して何もしてやることはできない――そんな歯がゆさと悔しさに私は、思わずアリーナの壁を叩き付けた。
ドゴン!という音と共に壁を殴ると、それに驚いた山田先生がこちらを見ていた、同時に私は『しまった』と思うがもう遅い、そして山田先生にも、悪い事をしてしまった。

「織斑先生――」
「……すまない、山田君――私は」
「わかってます、先生も何もできないのが嫌なんですよね?――私だってそうです、今ああやって月代君が自分の命を張って戦っているのに、私は何も出来ません。 こうして管制室の制御をしながら現状に対処する事しかできません、私だって――私だって何かしたいですよ」

山田先生の声は、普段のどこか抜けたような、慌てた時のような声ではなく、私が知る『元代表候補生』としての声で、その声は真剣で、強い意志が篭っていた。
そうだな、私らしくも無い――山田先生も、そして恐らく今治療を受けているローレンスやオルコット、そして自分の友人が命を掛けて戦ってるのを見ている事しか出来ない一夏はもっと辛いのだろう。

そんな事を考えていると、気がつけば既に月代がアリーナでの戦闘を開始してから約30分が経過していた――そして、それまで月代が互角か、優位に進めていた状況は一気に変わった。
流れが変わったのは、『月代が放ったあの2丁の収束ライフルと背中のエネルギーウイングから放たれた6発のエネルギー
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