暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第19話 『正体不明 < Unknown >』 中編
[5/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
るで何かが引き金になって、一気に動きが変わったみたいに……

「かはっ……」
「……終わりです」

首を鷲掴みにされて、身動きが取れない状態で俺が見たのは――目の前で背中の<ハイペリオン>に似た6枚翼を広げ、超至近距離でエネルギー弾を放とうとしている姿だった――不味い、不味い不味い、この距離であれの直撃を受ければ――間違いなく俺が撃墜される。

首が掴まれて息が苦しい中、なんとか正面の<Unknown>の拘束から抜けようとするが――それは、出来なかった。そして、真紅の翼から俺に対しての無慈悲な宣告――それが下された。
無慈悲にも放たれたエネルギー弾は、全弾俺に直撃した。そしてそのダメージにより一気にシールドエネルギーがレッドゾーンへと突入する、直撃を受けた俺はなんとか意識を保ち、戦闘を継続しようとするが――目の前の<Unknown>は掴んだままの俺を上空に投げると――機殻剣で上段から切りつけた。

再び墜ちていく俺、かろうじで確認できたのは――『相棒』がまた俺を守ってくれたという事。本来直接俺へと来る筈だったダメージは、全てコイツが肩代わりしてくれたらしい、そしてそれに感謝すると同時に――今こうして墜ちていく自分は何も出来なくて、<Unknown>に対して手も足も出なかった自分に腹が立って。 『相棒』の主として、自分の不甲斐なさと情けなさで余計に自分に対して腹が立って、コイツに申し訳なくて――

必ず戻ると約束したのに、『相棒』と同じ姿のアイツをぶっ飛ばしてやろうと思ったのに、アリアとオルコットさんを傷つけたアイツを倒したいと思ったのに――結局は、俺ではどうすることもできなくて。
恐らくこのまま地面に叩きつけられれば、仮にまた『相棒』が俺なんかの身を案じて肩代わりしてくれたとしても、<Unknown>からの追撃が来るだろう――そして既にシールドエネルギーが尽きかけている俺にはそれを防ぐ事もできない。

カッコ悪ぃ…… そう思うと同時に、一夏や篠ノ之さん、アリアにオルコットさん――織斑先生に、フランスに残してきたシャルロットに、『仏蘭西国企業連』の人達の事を思い浮かべる。
負けたくない、俺はまだ何も成してもいないのに、始まったばかりなのに――成したい事や探したい事があるのに、こんな所で負けたくない、そう朦朧とする意識の中で思った。

クソ、なんだよこれ――そしてあの<Unknown>、あれは一体何なんだよ……!

そうして落下していく俺の前に――『相棒』からウインドウメッセージが表示される。意識が朦朧としていて、俺にはその表示をちゃんと見ることは出来なかったが、意識を失う前に、機械的なマシンボイスが僅かにだけ聴こえた。


『搭乗者の生命危機を感知、緊急度Sと断定――緊急時に伴い管理者権限で一部兵装を限定解除、――
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ