暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第18話 『正体不明 < Unknown >』 前編
[1/12]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
――『その存在』はある目的の為に存在した。 しかし、『ソレ』にはその目的がわからなかった。

――わかっていたのは、己は何かの為に存在する事というだけ。 何かを探している、というだけ。

『その存在が、目的とする対象を見つけた時、一体何を思うのか』

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

何が起こったのか、俺には理解できなかった。自分の目の前で『現実』として起こっているそれが、俺には理解できなかった。

頭の中が混乱する、そしてそれが原因で状況がすぐには読み込めない、だけど――そんな状態の俺でも真っ先に分かったことがあった。

アリアが――堕ちた。
突如として放たれた閃光、何者かが放った収束砲からオルコットさんを守り、自身は逃げ切れずに被弾した。

なんだ、これは――どうしてこんな事になっている?これはアリアとオルコットさんの試合の筈だ、そして俺が記憶している限りではモニターを見ていた限り、その結末はアリアがオルコットさんの攻撃を読みきって最後の一撃を放とうとしていたのだ。

あの一撃は、間違いなくオルコットさんに届いて、そしてこの試合は終了――きっと彼女はいつもの笑顔と少し照れくさそうな顔をしてピットに戻ってくるものだとばかり思っていた。

だが、現実はそうではない――とても、とても非情だった。
今、第三アリーナにはけたたましく緊急警報が鳴り響き、観客席の防御壁が降りて、生徒たちが避難している。

そして、自分の目の前のモニターの中では――気を失ってISを解除され、オルコットさんに抱きかかえられるアリア。そして、その上空に存在したのは――

「テン……ペスト……?」

馬鹿な、と思った。何故ならば"Tempest_Dragoon"は自分自身の機体であり、そして待機状態のネックレスは俺が持っている――だが、己の機体、"Tempest_Dragoon"に酷似したそれは、モニターを通して見えており、確実にアリーナの上空に存在した。

先程からけたたましく鳴り続ける警報、モニターの中で起こっている状況、それが俺には飲み込めずに居た。あまりにも唐突過ぎて、そして……それが理解できなくて。

「――う……おい、悠ッ!ぼさっとしてるんじゃねえよ!どうしたんだよ、おい!」

「ッ……悪い、一夏」

呆然とただモニターを見ながら立ち尽くしていた俺は、隣でモニターを見ていた友人、一夏の言葉で目を覚ます。そうだ、何をやってるんだ俺は――

我に返った俺は考える、まずは状況を整理――アリアとオルコットさんが試合中に何者かの襲撃を受けてアリアが撃墜された、そしてその襲撃者はアリーナのシールドバリアーを貫通するだけの威力の武器を持ってい
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ