第三十八話〜日常と動き出す歯車〜
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ゲームの勝敗は置いておいて、まずは僕の予測を超えられる思考を身に付けようか」
それを聞いた何人かは「それは予測じゃなくて、予知の域だ」と、内心でツッコミを入れていた。
そしてその場にいたはやてもライのその特訓に参加したいと言い出し、今ではライはティアナとはやての2人と一日一回はチェス、もしくは将棋を指している。
それを知ったフェイトはとても分かりやすく拗ねた。何故なら、ライと予定していた模擬戦は行えず、しかも間が悪いことにフェイトの執務官としての仕事の都合であまり時間を取ることもできず、結局は今までライと一回も模擬戦ができずにいたのだ。
それまでは仕方ないと我慢していたフェイトであったが、はやてやティアナへの指導をあっさり了承したライを見て我慢の限界がきたのか今朝の訓練に参加できることが決まった瞬間、フェイトが宣言したのだ。
「ライ!今度こそ私と模擬戦してね!」
その剣幕に一同は驚き、ライもこくこくと頷くしかなかった。
そして現在、フェイトにとっては待ち望んだ瞬間が来たのであった。
「蒼月、パラディン、セットアップ」
「イエス マイ ロード」
「ラジャー、セットアップ」
ライが蒼月とパラディンの2機を起動させる。そして蒼月のバリアジャケットとパラディンの装甲を纏う。しかしその姿はなのはとの戦闘の時と違い、エナジーウイングの羽は折りたたまれていた。そして更に、ライの手にそれぞれ1本ずつのショートソードが握られている。これはそれぞれ、蒼月とパラディンの展開状態である。
蒼月単機でも形態を変えれば剣を2本にすることはできる。だがそれでは2本とも剣が細くなり、どうしても扱いが難しく、そして戦闘に耐えられる時間が短くなってしまうのだ。
それを嫌ったライは、パラディンの形態をヴァリスとショートソードの2つを設定していた。これにより、蒼月とパラディンの二刀は蒼月単機の二刀よりも長時間戦闘に耐えれるようになる。
『じゃあ、始めるよ』
通信でなのはが2人に声をかける。対峙する2人はその声に頷いて返す。
『それじゃあ、模擬戦開始!』
その言葉が聞こえると同時、ライの視界からフェイトが消える。
「ッ!」
それと同時に背後から聞こえた砂を踏む音。その音が聞こえた瞬間、ライは姿勢を低くし、前方へ転がるように跳んでいた。
直様振り返ると、そこにはハーケンフォームのバルディッシュを斜めに振り下ろしたフェイトの姿が見えた。
(今のを避けちゃうんだ。やっぱりライってすごい!)
自分が興奮していることを自覚しながらも、フェイトはそれを恥ずかしくも沈めようとも考えてはいなかった。
一方、ライはフェイトの立ち位置が自分の間合いの一歩先であるのがわかった瞬間、身を低くし
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