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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』
第二十七話
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えるまで続いた。

「……ハミルトンさん……」

 見送りに来ていた樹は飛び去っていく攻撃隊を見ながらそう呟いた。

 樹としては皇帝や帝都がどうなろうと知ったこっちゃじゃない。向こうが自爆するような事をしたまでだ。

 ただし、ハミルトンだけは何故か気になった。あの皇宮から去る時、樹を畏怖の対象を見るような視線に樹は心が痛んだ。

「……出来れば無事で……」

 樹は帝都の方向を見ながらそう呟いたのであった。



「隊長、もうすぐ帝都です」

「うむ、爆撃準備に入る」

 副操縦士の言葉に攻撃隊隊長の宮内少佐はそう命令をした。

 もうすぐ日の出である。攻撃隊は乱れたりせずに編隊を組んで飛行している。

「見えました隊長ッ!! 帝都ですッ!!」

「よし、皇宮を探せ。零戦隊は万が一に備えて高度一千で飛行するように伝えろ」

 正操縦士がハンドサインで零戦隊に知らせる。指令を見た零戦隊隊長の中島少佐はバンクして他の零戦と共に高度一千に上昇して辺りを警戒する。

「爆撃進路に入る」

「ヨーソロー」

 一式陸攻は小隊に分かれて爆撃進路に入る。

「目標皇宮ッ!!」

「用ぉ意……撃ェッ!!」

 宮内機から八百キロ陸用爆弾が投下された。列機も爆弾を投下した。

 爆撃高度が三百なので三発とも命中して皇宮を吹き飛ばした。他の小隊も議事堂と元老院の建物を爆撃を敢行して二ヶ所とも皇宮同様に吹き飛ばした。

「隊長、全機爆撃完了しました」

「よし、帰投しよう」

 攻撃隊は再び編隊を組んで意気揚々とアルヌスへ帰還するのである。




「陛下にお尋ねしたい。この未曾有の恥辱と損害にどのような対策を講じられるおつもりか?」

 カーゼル侯爵は議事堂があったはずの瓦礫の山に立つと玉座の皇帝モルト・ソル・アウグスタスにそんな言葉を突きつけた。

 周りは瓦礫の山である。全てが破壊されていたのだ。

「事の次第は開戦前に敵を知るために異境の住人を数人ばかり拐ってきた事に始まる。異国の使者はこの事を知るやたいそう怒り、事もあろうに陛下の面前において皇子ゾルザルを打擲するに及んだそうだが、陛下、間違いありませんな?」

「俺は殴られてなどいない。地揺れに足を取られ転んだだけだ……」

「転んだだけでそうなりますか?」

「階段から……転げ落ちたのだ」

 歯を失ってまでもゾルザルは懸命に否定し続けている。そしてその時に数人の近衛兵が慌てて駆け込んできた。

「大変です陛下ッ!!」

「何事だ騒々しいッ!!」

 近衛兵の言葉にカーゼル侯爵はそう叫ぶ。

「お、皇子ディアボ様が……」

「何だと?」

 近衛兵の言葉に皇
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