第2話、猛将現れる
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きたビュコックとウランフの艦隊は、正面の無傷の敵と交戦をしながらどうにか孤立しがちな第十一艦隊と連携を図ろうとした。だが、当の第十一艦隊に全く連携意志がないため、その試みは失敗に終わった。
「第五艦隊及び第九艦隊が後方で接敵中」
「ようやくご老体がお出ましか。だが敵を引きつけてくれれば我が艦隊は敵を突破して背後を遮断できよう」
「閣下。ブラウン少将の分艦隊を使って、第五艦隊と交戦中の敵側面を攻撃してはいかがでしょうか」
ラデツキーにはそこが敵のウィークポイントに見えた。
「今は突破を優先する」
突出した第十一艦隊はこの後も終始帝国軍を押しまくり痛めつけた。とはいえ、僅か一個艦隊で帝国軍全軍を殲滅できるはずもない。
「ホーランド閣下、そろそろエネルギー不足の艦艇が出ます。友軍と連携して補給をすることも考えねばなりません」
「参謀長。何とか保たせよ。もう一息で完全勝利だぞ」
陣形を大きく乱し、無秩序に後退を始めた帝国軍を見て、ホーランドは後退を渋った。ラデツキーとしても今が正念場であることを理解していたが、このままエネルギー切れなどになったら、艦隊は全滅してしまう。
「ホーランド提督、ビュコック提督より通信が届きました」
通信士官が報告する。ビュコック提督からの通信の内容は穏やかな表現の後退勧告だった。ラデツキーはしまったと顔を青くする。突撃と同時にビュコック中将の後退命令が来ると思ったラデツキーは、上官を守るために詭弁の弄し方を教えたのだが、案に反してビュコック中将は第十一艦隊の攻勢限界点まで我慢した上で、やんわりと撤退を促してきた。
これにホーランドがどう答えるか、ラデツキーは聞くまでもなくわかった。
「ご指示に従いたくとも第十一艦隊はご覧の通り敵に囲まれております。敵の隙をつけるかどうかやってはみますが、難しいことはご了承下さい」
ホーランドはビュコック中将に慇懃無礼な通信を送ってから、どうだ責任問題を回避したぞと言わんばかりにラデツキーを一瞥する。帝国軍がまわりにいることは確かだが、それはすべて落伍艦艇に過ぎない。実際ホーランドは、ラデツキーの進言を聞かなかったら、ビュコック中将に敵の崩壊を喧伝していただろう。
「ホーランド提督、艦隊には補給が必要です。万が一敵前で補給切れとなれば、我々は軍法会議にかけられてしまいます」
ラデツキーはため息を吐き出したたくなるのをこらえて、第十一艦隊の危機を避けるため、ホーランドの理性に強く訴えかけた。
「状況はわかっている。だが、もう少しだ。あと五分いや十分で敵は崩壊して完全勝利だ」
ホーランドはラデツキーの言葉に理を認めたが、やなり戦功という欲望には勝てなかった。
もちろんラデツキーに言われるまでもなく、ホーランドとて第十一艦隊の独創的な戦術機動の弱点は承知してい
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