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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
第一章 『学園』 ‐欠片‐
第14話 『ルームメイト』
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夏は別だ。俺達のように企業や政府と言う後ろ盾がない。いくら『ブリュンヒルデ』や『篠ノ之』と交流があったとしても、完全な後ろ盾にはできない――だとすれば、考える事は簡単だ。
『月代 悠』ではなく『織斑 一夏』を狙えばいい、恐らくそう考える組織や企業は多いはずだ――そして、日本政府もまた一夏を手放したくない。折角保護名目で捕まえたのだ、わざわざ利用価値のあるモルモットを離したりなどしないだろう。


つまり、一夏をできるだけIS学園に拘束しておきたい――そういう事なんだろう。


そんな、恐らく当たっているだろう予想を頭に浮かべると俺は内心でため息をつく、本当にどいつもこいつも――『ISを利用価値のある兵器や道具』としか見ていないと。

俺は暫く山田先生と一夏が部屋についての話をしているのを見ながら、そんな裏事情についての予測と、それを考える存在達に対する愚痴を心の中でこぼす。
そうして暫くして一夏と山田先生の会話が終わると、山田先生から鍵を受け取る一夏。
山田先生は一夏との会話を終えると、今度は俺とアリアの方を向いた

「ええと、織斑君に続いて2人にも寮のお部屋の話です――お2人の荷物は受付で預かった時に既に寮の入り口のほうに運んでおきましたので、後で取りに行ってください――それと、これが部屋の鍵です」

「わざわざすみません、山田先生」

「いえいえっ、私は先生ですからっ」

もし効果音が付くとしたら『えっへん』という感じに山田先生が言う――時たま思うが、この人本当に先生かと疑問を持つことがある。

実際は俺達と同じくらいの年齢の人間が、無理に教師の格好でもしてるんじゃないかと思うくらいに。
ひとまず、その後に山田先生から寮についての説明や門限、基本的なルールについての話を聞いて『わかりました』と返答すると、先生は満足そうに教室を出て行った。

さて、それでは部屋番号を確認しよう。恐らく、俺と一夏は同室だろうと予測する。
『大人の事情』的にも、道徳的にも、後俺達の精神状態的にも考えたら同室だろう。うむ――絶対に同室だ、間違いない。

そうか、一夏と同室か……回り全員女子生徒ばかりで、後考えたくもないことも含めてIS学園の生徒というものに対して俺は恐怖心を覚えていたので、『一夏と同室だろう』と確証のない確信をした時にはかなりホッとした。
確実に俺と一夏は同室なのだ、うん

そう自分の心の中で思うと、俺は口を開いた

「さて、一夏――お前さん寮の部屋何号室よ?」

一夏よ、安心しろ――俺とお前は同室だ。男じゃないと話せない事や、男同士だからこそ話せることもあるだろう。
今こそこの『女の楽園』"監獄"から抜け出して、俺達の『寮部屋』"楽園"へと行こうじゃないかッ!
正直、今日一日で完全に俺はも
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