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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第12話 『意思』
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――『運命』に抗う力とは何だろうか? 金だろうか、権力だろうか? 『運命』とはそんな人が生み出した『力』では変えられない、変わらない。
――『運命』に抗う力とは『意思』である。押し付けられた現実、理不尽、それに抗い未来を掴もうとする『意思』である。
『そして、そんな『意思』に対して運命は微笑む。気まぐれな運命は強き意思に『未来』を与える』
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薄暗い部屋の中、機械だらけのその部屋に『彼女』は存在した。
その部屋の中で常人では再現する事ができないような速度で端末を操作し、そして処理されている内容を理解している姿はまさに『異端』だろう。
『彼女』が存在している機械だらけの部屋の主、まるで『不思議の国のアリス』の登場人物『アリス』の服装に酷似した服を着た『彼女』は何かを考えるように、だがどこか楽しそうに"うーん"と呟いた
「うんうん、『殆ど』はこの天才科学者束さんの思ったように進んでるね〜流石束さんだね、いえいっ でもちょーっと予想外の事もあったかなあ―― 一体どういう事だろうねこれは? 天才の束さんにもわからない事があるなんて、凄く不愉快だよねーもー そう思うでしょ、くーちゃんも」
『彼女』――この部屋の主にしてISの生みの親、篠ノ之 束は部屋の入り口から湯飲みを載せたお盆を持って入ってきた『少女』にそう言った
「束様、随分機嫌が良さそうですが……何か良い事でもあったのですか?」
己の持つお盆を部屋に設置してあったテーブルに置き、湯飲みをテーブルに移すとその『少女』、クロエ・クロニクルは自身の主である篠ノ之 束に対して問いかける
「うーん――そうだね、確かにくーちゃんの言うように"良い事"かもしれないねこれは だってこの束さんが『面白い』って思うような事なんだから。でもねくーちゃん、束さんはこれがどうしてなのか『理解できない』から不愉快だし、だけど『凄く興味深い』んだ これを見て、くーちゃん」
彼女はそうクロエに言うと、端末を操作してとあるウインドウを拡大するそこには――『織斑 一夏』の名前と共に『月代 悠』の個人情報と名前があった。
「……?束様、この『月代 悠』というのは誰なのでしょうか?」
「よくぞ聞いてくれたねくーちゃんっ!『彼』はね、束さんが今ちーちゃんといっくん、それからほーきちゃん――あ、勿論くーちゃんもだよ?それ以外の有象無象で唯一『興味』を持った存在なんだっ 言わばまいふぇいばりっとっだね! ――本当に興味深いよ彼は」
まるで無邪気な子供のように純粋な笑顔をクロエに向けながら、彼女はそう言った。
口では『不愉快』だと言いつつも、篠ノ之 束は心
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