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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第12話 『意思』
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っており、彼女自身との調節でスケジュールがほぼ埋まっているというのが1つの理由としてある。

専用機が完成した後もスペック通りに動くか、安全性に問題がないか、シャルロット自身との同調率はいいのか等のテスト運転、データ収集に調整――そして会社が必要とするデータを集めて再調整を行うなど、やらなければならない事は多くあった。

そして他にも、彼女自身の想いがある。
シャルロットは両親と和解しており、その関係は非常に良好――そして彼女自身が自身の『両親』の力になりたいという想いもあった。
彼女の現在開発が進められている専用機は『ラファール・リヴァイヴ』の後継機開発の為のテストモデルなのだ。そして、今までずっとデュノア社のテストパイロットとしてISを動かしてきた彼女のデータは必須とも言え、また彼女の技能や特性上、『ラファール・リヴァイヴ』との同調率は非常に高かったため、今のデュノア社にはシャルロットの存在は不可欠だった。

彼女自身も両親の力になりたいという想いと、両親の力になれるのなら自分が頑張りたいと望む彼女の想いもある。
だがしかし、現状を見てのシャルロット本心は『ずっと二人と居たい、離れたくない』という気持ちが特に強かった。
きっと今の彼女は、そんな両親と自分達への気持ちがごっちゃになって、きっと――どうしたらいいのかわからなくなっているのだろう。

「僕ね、わからないんだ――二人と一緒に居たいって思う自分と、お父さんやお義母さん――それから僕に良くしてくれる会社のみんなの為に僕も頑張りたいって思う自分、今の状況で、自分がわからないんだッ……」

涙を流しながら、悲痛な声でシャルロットは言った。そんな彼女を見て、アリアは立ち上がると彼女の横に座りそっと抱きしめた。

「ぁ……アリア、さん?」

「辛くて、苦しいよね。今の私は、シャルロットの気持ちが少しはわかる。でもね、シャルロット。絆が切れるわけじゃないの。私達は、会おうと思えば必ず会えるんだから」

そう言って、アリアは優しい微笑みを見せた。本当に、出会った時からは想像もつかないほど、彼女の表情は穏やかだった。
彼女は、俺に出会ったからだと言っているが……俺はそこまでの人間じゃないと思う。きっとそれは、彼女自身が勝ち取り、もぎ取った強さだと俺は思う。

「今のシャルロットは、私たちが初めて出逢ったシャルロットとは違う。何が貴女を変えたのかは、私には想像しかできないけど――今の貴女なら、大丈夫」

そう言って、アリアはシャルロット強く抱きしめる。

――何が大丈夫なのか、俺にはわからないし、きっと、アリアにもわからないのかもしれない。

シャルロットの気持ち、葛藤、これから彼女が抱えなければならない困難、それを考えたところで、結局それは俺達の想像でしか
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