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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第11話 『約束』 後編
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食後、アリアとシャルロットの希望で幾つかの店を周り買い物に付き合ったが荷物が多すぎる。

最初は袋が2つ3つくらいだったので『俺が持つ』と言って手伝っていたが、それがじきに増え、かなりの量の荷物――車のトランクが一杯になるくらいの量となった

量も量だが、最後のほうで二人の荷物を合計して袋が7つや8つくらいになってくるとその重さも尋常ではなかった。

俺自身、空軍の訓練に自身の自主トレ、エディさんからの教導などで鍛えていたので『多少の重さ』なら問題など一切無いと思っていたが――まるでそんな俺を嘲笑うかのように現実は非情だった。
本当にこの袋の中は服やアクセサリー、後雑貨くらいしか入っていないのか? と俺自身真っ先に疑うほど、重かったのだ。

なんとか車まで運んだが、俺自身二人に対して平静を装うので精一杯だった。そして同時に俺は心の中で思った『今度から二人の買い物に付き合う時はちゃんと覚悟して行く』と。


「えっと…ごめんねユウさん 車出して貰った所か荷物まで全部持って貰って」

「私もゴメン、ユウ――正直買い物に夢中になっててユウの負担考えてなかった」

申し訳なさそうに二人はそういった。だが、こうなることを事前に考えて無かった俺のミスでもある。そうだ――ちゃんとわかっていなかった俺が悪い。

「いいさ、俺がそうしたいって言ったんだし――さて、まだ行く場所あるか?あるんなら車出すけど」

「私は……もうないかな、これ以上言うとユウに悪いし」

「僕も無いよ――あ、えっとねユウさん」

「ん? どうかしたのか」

シャルロットが何か思い出したように俺を呼んだ。よし、まだ買い物があるなら既に覚悟は出来ているからドンと来い。

「あのね……提案なんだけど、これから集合墓地に行けないかなって」

「集合墓地? それってシャルロットのお母さんのお墓があるあの場所だよな? ――だけど、どうしてだ?」

「うん――ユウさん、僕と初めて会った時に献花を持ってきてなかった僕に花束を渡してくれたよね? あれって――本当ならユウさんの両親に対しての、だったんじゃないかなって」

確かにその通りだ。だけど――あの時の状況と俺自身の気持ちではシャルロットに対してちゃんと献花を捧げさせてやりたかったという想いがあった。だから俺はあの時ああしたんだ。

「だからね、あの時二人がああしてくれたように、僕も――ちゃんと返したいんだ、あの時の花束と想いを 僕にあの時のお返しを、させてくれないかなって」

素直に嬉しかった。ここ最近は忙しいという事もあって、あの時『ちゃんとまた来る』と墓石に言ったにも拘らず行けていなかったからだ。

だから――今シャルロットが提案してくれたのは非情にありがたいとも思った。


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