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同士との邂逅
十七 感謝のことば
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もし暗部総隊長の月代がナルトだとバレてしまったら、彼も三代目火影の記憶で見たあの乳母のように豹変するんじゃないか。里人同様、怨色を露にして怒るのではないか。
横島は、そんなハヤテの顔は見たくなかった。

両腕に顔を埋める。唐突の問題提起に戸惑っているハヤテの姿が目に浮かんだ。
はなから彼は返事など期待していなかった。


「……その人がどんな人かわかりませんが、その人自身が望まないならいくら手を差し伸べてもきっと駄目でしょうね…ごほっ」
けれど予想に反して返事が返ってきた事に、横島はゆっくりと埋めていた両腕から顔を上げる。何の解決策も含まれていないその言葉に落胆したが、次の言葉には目を瞬かせた。
「でもひとつだけ出来る事があります」
若干赤くなった瞳を爛々と光らせて、ハヤテの言葉に耳を傾ける。相変わらず顔色の悪い彼は横島に言葉を投げ掛けた。


「傍にいる事です」


横島が目を見開いたのを確認しつつ彼は更に言い募る。
「誰が何と言おうと、その人の傍にいる事です。それだけでその人は随分救われます……ごほっ。自分だけは味方だと、仲間だとゆっくり信じさせてやるんですよ」
暗がりの中、こちらをじっと見据える横島の視線を感じながら、ハヤテは再び口を開いた。

「見守る事も、ひとつの勇気ですよ…ごほっ」

その一言を耳にした横島は、まるで青天の霹靂に出会ったかのような表情を浮かべる。そうして口の中で何度も反芻した。
「傍にいる…見守る……」
ぶつぶつと呟いている横島をハヤテはじっと見つめる。仄暗い台所で時を刻む時計の針がやけに大きく響き渡った。


どんよりと暗い空気を背負っていた横島が、ゆっくりと相好を崩す。その様を見ながら、ああやはり彼には笑顔が似合うなとハヤテは思っていた。

「…そっか。すんません、急に変な話言っちゃって…」
「いえ、構いませんよ…ごほっ」
「あ!飯っスね!今から用意するんでちょっと待って…」
慌てて立ち上がろうとした横島の腕をハヤテは掴む。もう一度椅子に座るよう促しながら彼は言った。

「今夜の食事は私が作りますよ、ごほっ」
「いやそんなん悪いッスよ…」
「作りたい気分なんです…少しでも身体動かしたいですし」
味に保証はありませんけどね、とハヤテは猫背のままのっそりと立ち上がる。なにやら料理し始めるハヤテの背中を横島はぼんやり眺めていた。

(…気、使ってくれたんかな…)
普段クナイを使っているからか包丁捌きだけは異様に上手いハヤテの手元を見ながら、横島は椅子に深く沈み込む。背凭れに体重を掛け、両足をうんと伸ばした。

ガキだなあ、と思う。子どもであるナルトのほうがよっぽど大人だ。それに自分よりずっと強い。
けれどひとりは寂しいと横島は考える。だからナルト
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