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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第10話 『約束』 中編
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、一度使うと一定時間は使用できなくなる。確かに色々と制約はあるが、俺としてはバケモノ染みた兵装だ――対ISと考えた場合、これほど有力な兵装は中々ねぇと思うぞ…すまん、失言だった。『ISは兵器というだけではない』だったな――今の発言は技術者の俺がそれを忘れてたな…悪い、忘れてくれ」

と、申し訳なさそうに謝る主任。実は…それまでの主任の言葉に少し嫌そうな顔をユウはしていたのだ。

「主任も、悪気があった訳じゃないんですし…気にしないでください」

「…すまん、熱くなるといけねぇな――とまあ見つかった兵装については以上だ、それで最後になんだが…アリア嬢、嬢ちゃんにやってもらいたいことがあるんだわ」

「私に…ですか?」

「ああ、改修と強化自体は問題なく終わったんだがな――作業中に原因不明のエラーで機体に登録されていた『登録機体名』が消えたみたいなんだよ。それで、直そうとしたんだが――『管理者権限で変更設定を行って下さい』と出てな…それで嬢ちゃん、そいつにもう一度――名前をやってくれないか」

…どういう事だろうか? 私は確かにあの時――篠ノ之 束が自分の前に現れ、この子を渡された時にデフォルトの機体名と共に自分自身を搭乗者として登録したはずだ。
それなのに、今――この子の機体名が初期化されている?

そこでふと、隣に座って話を聞いている彼――ユウの言葉が思い出される。


――ISは、人殺しの兵器なんかじゃないと俺は信じたい。 


もし、もしもの話しだ。ユウが信じる『可能性』の話だが――ISのコアに意思があるとしたら?
本当は…人みたいに楽しいとか嬉しいとか、悲しいとか、感じるような心があったとしたら?
そして昔の私が――そんなISのコアの心や感情に…ずっと気がつかなかったとしたら?

――私は、自分は変われたと思う。救われたと思う。それはどうして? 彼に助けられたからだ。 ユウに助けられて、『暖かさ』と『可能性』を示されて、私は『一人の人間』として進み始める事が出来たから。

もし、私の機体――『あの子』も、私みたいに変わったとしたら?


きっと、あの子も――昔の自分と決別して、私が『兵器』として使っていたあの子がそんな『兵器』としての自身と決別して、新たに進もうと思ったのなら?
思い込みかもしれない、だけど――私はそうだと信じたいと思った。兵器としてあの子を使って、きっと傷つけてきたのは私だ。だったら…

「――私は、この子を自分だと思います。そしてユウが否定する『兵器としてのIS』として私は、ユウに負けるまでこの子を使ってきました。だけど――そんな私も変われた、だから貴方も変わったんじゃないかな」

私は手渡された待機状態のチョーカーを見て言うと、続けて私の想いを告げる。


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