暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第9話 『約束』 前編
[7/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
していているんだろう。
でも、戦わなければ進めない、傍観しているだけではきっと何も変わらない。それに『軍属』である俺に出来るのは――戦って、その中で未来を掴んでいく事しかできないんだろうと思う。


俺の言葉を聞いて、デュノアさんは黙ったままだった。

「――おかしいと笑いますか?矛盾していると思いますか?自分でもそうだと思いますよ。ですけど…自分は、『ISを兵器として見る事』だけはしたくないんです、『可能性』を信じてそれに賭けてみたいんです。それをやめて現実を肯定してしまえば――『ISはただの人殺しの道具』です」
「…そうだな、その通りだ。――アラスカ条約によって規制が敷かれ兵器運用が禁止されているとはいえ、それは一般論だ。実際のISは今やただの『兵器』だろう。人殺しの道具だ… 間違っているのはきっと『世界』なんだろう」

それまで黙っていたデュノアさんは、どこか嬉しそうに笑いながら口を開いた。

「ISを量産し、それをビジネスとしている私が言えた事ではないかもしれない――だが確かに篠ノ之 束が『ISを人殺しの道具』として作ったわけではないというのは私もそう思う。はじめは宇宙空間での活動を想定した上で開発されたマルチフォーム・スーツ――それが『IS』だったのだからね。それを『あの事件』から軍事に利用し、そして『人殺し』の道具にしてしまったのは――私達大人と、世界だよ」

俺の勝手な思い込みだが、『IS』<インフィニット・ストラトス>、『無限の空』という由来は――当初の宇宙を飛ぶために作られたという所から来ているんじゃないかと思う。
無限に広がる宇宙という『空』、その『無限の空』を飛ぶための翼であり力――それが『インフィニット・ストラトス』だと、俺は思っている。

「きっと、私達大人がISをそのように扱い、そのISの可能性を『兵器』という方向に向けてしまった――全く、本当に愚かだ。自分達に反吐が出るよ… さて――ユウ君」

「はい、何でしょうか」

自分の考えや想いは否定されてもおかしくない。だけど、否定されたから諦めて、『可能性』を捨てしまえばきっと――何も変わらない。未来を、今を変える事なんて出来ない。
だから俺は、自分以外の誰もに『否定』されても、『それでも』と言い続けてあがき続けると、自分と『テンペスト』に誓ったんだ、『約束』したんだ。


「やはり君は、可能性の塊で、強い子だよ――ルヴェルとレオンが認めているのも納得だ――ユウ君、私からの願いを聞いてもらえないだろうか」

彼の願い、とはなんだろうか――?

「自分で出来る事でしたら」

「ああ、そうだな――私は君なら出来ると信じているが… 君に、私の希望と未来を託したい。――勝手かもしれない、無責任かもしれない。 だが世界を今のようにして
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ