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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第9話 『約束』 前編
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の全面協力についてと、『仏蘭西国企業連』の立ち上げについてだった。
彼は 『それからもうひとつ』 と言うと再び話し始めた
「――今日君達を呼んだ理由として…君達二人に、お礼を直接言いたかった…ありがとう」
何の事だ?自分達は――『彼』に感謝されるような事はしていないはずだ。むしろ、彼と会うことも今日が初めてなのだ。
「…デュノアさん、自分達が感謝される理由がよくわからないのですが」
「ふむ――私はね、いや違うな…私達家族は君達二人に救われたんだよ。君達がシャルロットを変え、私達をも変えてくれた――変わり、分かり合うというのは…年老いた私が言うのも何だがとても難しい。他人を否定したり憎んだり、そんな事は簡単だが――『分かり合う』というのはとても難しい」
俺は、彼の言葉を黙って聞いていた。その時の彼の目は――先程シャルロットが見せたあの真剣な目と同じだったから。
「だが君達は、私達に分かり合う『可能性』を示してくれた。諦めかけていた私に、本当の強さを見せてくれた。だから――礼を言わせて欲しい。 本当にありがとう 」
彼は、そう言うと今度は――俺の目を見て言葉を紡いだ
「そして、もうひとつだけ話がある――ユウ君…といったか、君についてだ」
唐突に自分の名前を呼ばれて、俺は驚いた。
「自分…ですか?」
「ああ、君だ――ユウ君、私はさっき言ったように君達二人の味方だ。約束しよう――そして君については、ルヴェルから聞いている。君が『男性IS操縦者』だと言う事も、君の持つ力――暴風の意を持つ"Tempest_Dragoon"についてもだ。私に、教えてはくれないだろうか――君の覚悟を」
俺自身の目を見て、彼はそう言った――俺自身の覚悟、それは
「…自分は、自分の特異性について理解しているつもりです。下手をすれば自分の存在と、自分のIS――『テンペスト』は世界を壊します。犠牲を生んで、きっと悲しみを生みます 『それでも』自分には責任と想いがあります」
「それは、何だね?」
「どんな形であれ――自分はあの時望みました、いえ――ずっと望んでいました。『もう一度空を飛ぶための力が欲しい』と――そして、得てしまいました。とても大きくて強大な力を。ですが…それを望んだのは自分です」
俺は、彼――『ジェームズ・デュノア』の目をしっかりと見ながら言った。自分の覚悟を、想いを。
「力を持つものには責任があります――そして『男性IS操縦者』でもある自分は、力を手にした時点で既に大勢の人間の運命に介在しています。…その責任は自分が背負わなきゃいけない事なんです――『想い』をやり遂げる事、それから『力』を得た責任は取らなければならないんです」
「君の言う、その『想い』とは――何かね?」
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