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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第9話 『約束』 前編
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、変われたんだ」
俺とアリアはその言葉を黙って聞いていた、何故なら――その時の彼女の目は、とても真剣だったから。
「二人に聞いて欲しいんだ、今までの僕がどうだったのか――そして、二人のお陰で僕は、どう変われたのか」
そして彼女は語った。今まで自分がどうだったのか。父に捨てられて、実の母親が死んで、実家に引き取られて――そして自分が父と義母とのすれ違いでずっと二人を憎んでいた事を。
自分は相手を知ろうとせず、ただ否定して、憎んで『自分にはそんな現実を変える力も勇気も無いんだ』と思っていた事を。
その話を聞いて、俺は彼女に言葉を掛けようとしたが、彼女は俺が言葉を紡ごうとするのを止めると言葉を続けた
あの時、俺とアリアと出会って、『可能性』と『分かり合うことの大切さ』、自分達二人に『今まで』を変えるために一歩踏み出す勇気を貰ったということ。
自分でできる最大の勇気を出して『父』に思いをぶつけて、そして『義母』とも話をして――『自分達親子はただすれ違って、ただ思い込んでいただけ』という事を知って、分かり合えた事。そうすることで『家族』に戻れたという事を。
「だからね、僕は――今すごく幸せなんだ。 お父さんともお義母さんともちゃんと分かりあえて、そしてもう僕は『全てを否定だけして逃げる事』もやめることができたから、『シャルロット・デュノア』はここに居ます。もう――『鳥篭の中の鳥』なんかじゃありません。だからね、二人には言いたいんだ――」
シャルロットは俺とアリアの顔を目をそらさずに見ながら
「――僕を変えてくれて、未来を変える勇気をくれてありがとう それと……これからも、よろしくお願いします」
そんな彼女を見て、俺とアリアは
「こちらこそ、シャルロット。これからも『友人』としてよろしく頼む」
「私も、よろしくねシャルロット。 それと――おめでとう、今のシャルロットは…凄く幸せそうでいい顔をしていると思うから」
だけど、俺はシャルロットの言っている事は少しだけ間違っていると思った。
――俺やアリアが君を変えたんじゃない。 変わるための一歩を踏み出したのも、勇気を出したのもシャルロットだ。 だから……それは何者でもなく『君の強さ』だよ、シャルロット
そして、心の中で俺は――彼女に申し訳ないとも思いながら、ある事を思っていた。
自分は、『男性IS操縦者』だ。そして俺のISも規格外の化け物だ。俺が恐れたのは、自分の立場と背負うと決めた力、それがいつか、シャルロットを傷つけるんじゃないかと。
自分の持ってしまった力は、俺が望んだもう一度空を飛ぶための『翼』は――あまりにも危険すぎる。
世界を狂わせるほどに、壊してしまうほどに。
それでも、俺は信じたい。
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