暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第7話 『親心子心』
[4/8]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話



運転をしていたので、横目で見る事になったが――シャルロットは真剣な目つきで、精一杯言っているのが分かった
だから、父親として――私は

「ああ…言ってみなさい――『シャル』」

もう二度と、その名前で呼ぶことは無いのだと思っていた。
私に呼ぶ資格も無い、そしてきっと――そう呼ぶことを許してくれないだろうとも思ったから。

私が『シャル』と呼ぶことできっとこの子は怒ると思った――だが、シャルロットは…驚いて眼を見開き、泣きそうになるのを堪えながら

「…僕と、お父さんとお義母さんの事の話です――今までの事、それから…これからの事について」

「シャル」

「は、はいっ――」

「すまなかったな、シャル――私は悪い父親だ」

「お父、さん…?」

今の私が言ってやれるのは、それが限界だった――

「僕も、ごめんなさい――」


最後にシャルがそう言うと、会話は終わってしまった。
きこちなくて、親子なのに他人行儀くさくて――それでも 私とシャルの初めて親子らしい会話 だった。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


シャルロットが『話をしたい』と言ってきた日の夜――私は早速時間を作った。
妻である『アルメル』に私が『シャルが話をしたいといってきた』と伝え時には、妻は驚いて、そして泣いてしまった。

私自身もシャルを愛したい、幸せにしてやりたいという気持ちがあるように――アルメルにも、実の子ではないシャルを幸せにしたいという気持ちがあった。
きっと、私より遥かに――シャルの事を考えているのはアルメルだと思う。心配して、関係を気にしているのも妻だろう。
それには理由がある――妻は 『二度と子供を産めない』身体なのだ。

シャルを引き取る少し前、原因不明の病で妻は病院に搬送された。
一時は意識不明の重態で、生死を彷徨った――だが、妻は奇跡的に命を取り留めて元気になった。
眼が覚めて、医師から告げられたのはとても残酷な現実だった。
原因不明の病で彼女の子宮の機能が停止――子供を、産めなくなってしまった。

その事実を聞いて、妻は塞ぎ込んだ。そしてそに追い討ちを掛けるように…『コレット』が病気で亡くなった。
報告を聞いたのは、妻の目が覚めて医師から通告を受けてすぐだった。
妻を悲しませてしまうだけではなく、愛人としてだけではなく一人の女性としても愛していた『コレット』をも失った。
そして、私は…妻の傍に居るのか、コレットの葬儀に参加するのかどちらかの選択を迫られて――妻の傍に居る事を選んだ。

あの時の妻は、眼を離すと自殺でもしそうで…とても脆くて、そしてその時の私は…妻しか目に入って
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ