暁 〜小説投稿サイト〜
IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第5話 『シャルロット・デュノア』
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彼女が可哀想でもある。
折角お墓参りに来たのに、黒服達が現れて献花を用意する余裕も無くて――何かいい方法は


ふと、俺はある事を閃いた。あまりいいことではないんだろうが――


「アリア、ちょっとここでシャルロットと待っててくれ」

「ちょっと、ユウ!?」

そう言うと返答を待たずに走り出す――そして暫く走ると足を止めた。

その場所は――自身の両親の墓石だった。
先程置いた『白いアネモネ』がそこにあるのを確認すると


「…ゴメン、父さん母さん――二人のために持ってきた花だったんだけど緊急事態――今度来るとき、またちゃんと持ってくるから」

そう言うと花束を回収すると、アリアとシャルロットの居る場所に戻る。

「――シャルロット、これ…お袋さんの墓に置いてやれ」

先程回収した花束を彼女に渡す――それを見てアリアが

「ユウ、それって――」

「いいから」

何か言いたそうにしているアリアを静止すると

「――折角頑張ってここまできたのに、何もなしじゃなんというか、アレだろ――その花束…よかったらお袋さんにあげてくれ」

「でもこれ、ユウさんのじゃ――」

「俺の事はいいから、気にせずにお袋さんに捧げてやってくれ」

俺の無理押しに負けたのか、そのままシャルロットは申し訳なさそうに花束を墓石前に置く――そして暫く墓石の前で沈黙すると

「…その、ユウさん――ありがとう、僕も本当はお母さんにちゃんと花束を持って来たいと思ってたから――」

「どういたしまして。まあ唯一言うとすれば――あの花束、完全に俺の趣味だからさ――そこだけはすまない」

俺はそのまま誤魔化し笑いをすると

「えっと、聞いてもいいかな?」

「ん、何だ?」

「どうして――『白のアネモネ』なの?」

あれ――凄くデジャヴの気がする
アリアを見ると笑いを堪えながら

「ユウ、デジャヴだね?」

「…数時間前に、お前にも同じ事聞かれたからな――そうだな、シャルロット…アネモネの花言葉は分かるか?」

少しシャルロットは考えると

「えっと――「清純無垢」に「無邪気」とか――白色なら「真実」に「真心」とか――だったと思うんだけど…」

…凄いな、ちゃんとあってるぞ。
だけど――やはりあの言葉はそこまで花言葉として有名ではないのだろうか?

「そうだな、それであってる――だけど俺自身が花言葉として込めたのは『可能性』って言葉なんだ」

「可能性?」

「ああ――受け売りなんだが、『人は、可能性を信じる限りどんな絶望や困難があっても――人であり続けられる 困難や絶望を乗り越えられる そして、どんな状況にも可能性は存在する』って言葉を俺の大事な人から教えてもらった
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