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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第5話 『シャルロット・デュノア』
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ないけど、今日ここで俺とアリアが君に会ったのも何かの縁じゃないかと思う」

―― 一人は辛い、悲しい。 俺も『あの事件』の後暫くは心を閉ざし一人だったから、その痛みは分かる。 だから――あの時皆がそうしてくれたように、俺も歩み寄る。
――歩み寄って、手を取る。そして言葉を放とう『大丈夫だよ』って。 俺がそれで立ち直れたように、俺も彼女にそうしてやりたかった 見てて、辛かったから

「連絡してくれれば話し相手くらいにはなれる事もあると思うし――メールとかなら簡単に連絡つくしさ、だから――そう、君は一人じゃない。 俺やアリアでよければ話し相手にもなってやるし、辛かったら言って来い――そん時は 助けに行くからさ、君を」

そう俺が言うと、彼女は目を見開いて驚くと、いきなり泣き出してしまった。

「…ユウ、泣かせたね」

ジト目でまるで蔑むように俺を見ながらアリアが言った

「待て、落ち着けアリア――俺がどこをどうしたら彼女を泣かせたって事になるんだ、それと今にもその殴りかかりそうな構えはやめろ、マジで怖い」

「あ…えっと、違うの――その、嬉しくて――ちゃんと話し相手とかになってくれる人なんて、今まで居なかったから――」

目をゴシゴシと擦ると、彼女は笑顔で言った
そんな彼女を見て俺も笑うと

「これからはもう、一人じゃないぞ――後…お節介な空軍兵から1つだけ、いいか?」

そしてもうひとつ――先程の電話で気になっていた事があったので聞いてみる事にした。
無論…お節介かもしれない、だけど――

「さっきの電話…推測するに、親父さん…か?」

するとシャルロットは複雑そうな表情になると

「うん、さっきの電話は――僕のお父さんから。 ごめんね、見苦しい所見せちゃったと思う」

「そうじゃないさ――親父さんと仲、悪いのか?」

これは完全にお節介だ。
俺の勝手なお節介――だけど、ほっとくことができなかったから。

「仲が悪い、というより――僕があの人を嫌いなんだ、あの人なんて――憎くて、嫌いで――」

「…一個人の事情だからさ、なんとも言えないけど1つだけ――互いに『分かり合う』事って、大事だと思うぞ」

「それって、どういう――」

「…ま、そういう事だ――所でシャルロット、君は――お墓参りに来たんだよな?」

無理やり話題を変える。後は――気がつくかどうかは、彼女次第だと思ったから。

「あ、うん――そうだけど」

「献花とか、そういうのは――用意する余裕無かったのか?」

彼女は一度頷くと

「うん――抜け出すので精一杯だったから、用意できなかったんだ――だけど、せめてお墓にだけはお参りしたかったから」

なるほど、と俺は頷く。

だが、そうなると――
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