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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第4話 『触れ合う心』
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しれないけど凄く儚くて、壊れそうで――無理してる」
何言ってるんだ、俺は無理なんてしてない。そうさ――ただ、毎年やってるみたいに、近況を墓の前で話そうとしてるだけで
「何言って…俺は――無理なんてしてないぞ?」
「じゃあ、じゃあなんで今ユウは――『泣いてるの』?」
泣いてる?何を言って――あれ、俺は――ッ…
気がつくと、目の前に居るはずのアリアが霞んで見えていた。
自身の右手で涙腺に触れると、そこには――涙があった
「…ああ、そうか。俺は――」
「ユウ…私も、私も数日前にユウに墜とされるまでは、『殺す』事でしか自分を表現できなかった――でも、そんな私に変わるチャンスと生きる『希望』、可能性をくれたのは――ユウだよ?」
アリアは、そのまま俺の前に歩み寄る。こうすると、かなり身長差があるのがよく分かる。
俺を見上げる形になった彼女は、俺を見ると
「…ユウのお陰で変われた私だから言えるよ、今のユウは――自分で無理して、偽って、自分の心を殺そうとしてる――そうだよ、まるで…ユウに墜とされる前の私みたいに」
あぁ――そうか、俺は無理してたんだな…
彼女の前でみっともない所見せたくないと思って見栄張って。
情けない、彼女に対してあの時あんな大言吐いたのに、俺は――
そして今までも――毎年ここに来ては、『自分を偽ってきた』
そっか、なら――
「…そうだな、偽ってたのは俺の方か――無理して、自分を壊して、サンキュ…アリアの言葉で目、覚めた」
「ユウ…うん、良かった」
俺は今度こそ、純粋な笑みをアリアに向けると涙を拭い
「――父さん、母さん、大事な話があるんだ。俺と――彼女、『アリア・ローレンス』って言うんだけどさ、今度…IS乗りとして企業に所属するよ」
不思議と、紡ぐ言葉に迷いは無くて――気持ちが軽くて――
「変な話だろ?『男』である俺がIS動かして、それでこれから色んなことがあって、きっと大変なことになって、だから――もしかしたら長いことこれなくなるかもしれない、だけど」
今度こそ、俺は迷いなく自分の言葉を――紡いだ
「俺は『空を愛し続けるよ』――『空を護るよ』 だからさ、見てて欲しい――」
きっと、自分じゃ気がつけなかったと思う――今日この場に、アリアが居なければ――もしアリアと自分が出会わなければ、きっと俺は毎年のように自分を偽り続けただろう。
だから、そんな自分に気がついてくれて、それを指摘してくれたアリアに――心の中で感謝した。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
墓参りを終えて、俺とアリアは来た道を戻っていた。
「…ゴメン、余計なことしたかな」
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