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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
第4話 『触れ合う心』
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知識や常識不足を真っ先に俺は疑った。エディさんも俺ほどではないにしても、やはり疑うものはあったようだ――
しかし、俺とエディさんのそんな不安をよそに、『一般常識と生活』という面では問題ないどころか、完璧に近いものをアリアは持っていた。
なので、数日掛けてアリアに『一般常識を教え込むか?』という案は無かった事になり、こうしてごく普通の生活を送っている。

「これでよし――あの魚で全部か?」
「うん、あれで最後かな――それでユウ、今日はどうするの?」

俺は あー… と呟きながら少し迷う。
今日は確かに、予定がある――だけど、お世辞にも彼女を連れて堂々と行けるような予定ではない。
だが、ちゃんとした理由も無いのに彼女を家に一人置き去りにする訳にもいかない――仕方ない


「一応、俺の予定だけど…あるんだ」
「ユウの予定? 私に出来ることだったら手伝うよ?」

純粋な善意を向けてくれるのは嬉しい、だけど…その――

「あ、いや――買出しとか買い物とかじゃないんだ、その――墓参り、でさ」
「…誰かの、お墓参り?」

そう、色々あって忘れそうになっていたが――今日は命日だ。

――俺の、父親である『月代久人』と母親である『アリス・ルノー』が死んだとされる日だ。

命日といっても、正確な命日ではない――あの事件、『白騎士事件』が原因で発生した『海上軍施設壊滅事件』その事件自体がもみ消され、『作られた別の事情』で亡くなったとされる日――それが今日だ
何故自分の両親が死ななければならなかったのか、そして――何よりも事実を隠蔽した篠ノ之 束に対しての憎悪とやりきれない思いは、長い年月が経過しても消えなかった。
だが命日は命日だ――毎年欠かさず、俺は両親の墓参りをしていた。今年はアリアの事や、ISの事、色んな事がありすぎて忘れそうになっていたが…

「あー…うん、そうだな――俺の両親の命日なんだ、今日は…」

俺は誤魔化すように苦笑しながらアリアに言ったが、彼女は複雑そうな表情で

「その…ゴメン、ユウ」
「なんで謝るんだ。まあ――俺の予定があるっていってたのはそれだよ、墓参りって奴だ――なんなら、ウチで待ってるか?来ても楽しいことなんてないし」
「えっと、その――私も一緒に行かせて貰ってもいいかな?」

そんな言葉が出るとは思ってもいなかったので、俺は驚いた。

「ただの墓参りだぞ?――楽しいことなんて本当何一つないぞ」
「うん、分かってる――だけどね、ユウの大事な人、なんでしょ?」

真剣な目で俺を見て、アリアは問いかけてきた。
アリア自身にも、何か考える事があったのか――じっ…と俺の目を見てきた。

「そうだな――俺の両親、だからな――」
「…私も、『あの時』パパもママも死んじゃった
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