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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
プロローグ
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「すまないが…それは言えない。だが、その人物の頼みで私は長い時間をかけてこのISを完成させた――勘のいいユウならもう分かっただろ? テストパイロット、いや……無理に乗ろうとした人間を殺したのは私だ」

「何故――何故そんな機体をッ! それに理由って……」

「必要、だったからだ――目的も理由も言えない。だが、この機体は必要だった。約束だった――私を咎めてくれても構わん……」

テストケースにおける死亡事故。それは決して珍しいものではない。
それはわかっているつもりだった、だけど――俺の中では どうして という言葉だけが渦巻いていた。

「すまない、これ以上は話せない――だが、これを凍結しなければ新たな犠牲が出る。そしてこれは…あまりにも強すぎる力だ」

「…必要、なんですよね」

「ユウ?」

「それを凍結することが必要で、そうしないとまた『この空』で犠牲が出る――そして、その機体の存在は、もっともっと多くの犠牲と不幸を呼ぶ――だから、凍結が必要なんですよね?」

大きすぎる力というのはただの抑止力ではない。純粋な暴力の塊である。
エディさんの話を聞いて、俺が思ったことは1つ――あまりにも強すぎる力なんだ、と思った。

だからその護送を引き受けた。『これ以上の犠牲を出さないために』、未来で犠牲を呼ぶ強すぎる力を封印するために――


――だけど、この時の俺は何も知らなかった。これから動き始める酷く残酷で、まるで自分の意思を嘲笑うかのような運命を。

――そうして、その力に関わる事で『彼女』と出会うことになるなんて、この時俺はまだ知らなかった。


『歯車は動き出し、時計の針は止まらない。運命とは残酷であり、気まぐれでもある――』


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――



その空間は『異質』だった。
その空間自体が鉄の匂いで充満しており、壁やコンクリートの地面は真っ赤に染まっていた。

そして――その赤い水溜りの真ん中には、男が倒れている。それも、一人や二人ではなく、数人というレベルでだ。

「――つまらない」

まるでその異質である空間の支配者であるかのように、その"少女"は佇んでいた。
身に纏うのは赤黒い鎧――死神をモチーフにしたような不気味なISを纏っていた。

彼女はまだ血が滴るISの武器――死神の鎌のような武器の血を横に一閃して払う――するとまた、その空間が『赤』に染まる。

「き、貴様…何をしているのか分かっているのか!」

まだかろうじで息のあった男の内の一人が、地面に這い蹲りながらもこちらを睨み付けながら叫ぶ

「…? 先に私を殺そうとしたのはそっちだよ?
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