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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
プロローグ
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良く知っている。この人がどれだけ恐ろしいか。どうして戦鬼と呼ばれるのか――その理由をよく知っている。
そう、あれは俺が軍属になる前――士官学校時代の話だ。あれは真冬の雪が降り積もる中、外での訓練――

「ユウ…とりあえず戻ってきなさい」

「はっ…す、すみません」

いけないいけない。俺としたことが。過去のトラウマを思い出すところだった。
さて――本題に入るとしよう

「話の腰を折ってしまいました――それで、護送対象というのは一体?」

「それなんだが……」

何やらあまり言いたくないのか、暫く黙った後ため息を付くと、エディさんは話し始めた

「…単刀直入に言うが、護送対象はISだ」

「――ISの護送、ですか。ですがそれならば、軍部のIS部隊の人間がやればいいじゃないですか…わざわざ俺のような、今じゃ必要とされない人間を持ってくる必要なんてありませんよ」

嫌味、だと思う。ISが世界に台頭してきて、自分のようなパイロット――戦闘機乗りは必要なくなった。いわば、お払い箱だ。

空が好きで、空を護りたくて目指した空軍の戦闘機乗り。
だが、目標は達したがパイロットとしての未来はISによって断たれてしまった。

それでも俺は、構わないと思った。どんな形であろうとも、自分は『空を護ることが出来る』のだ。
そう心の中で思っているのに、ISによって空を駆ける翼を奪われてしまった者の一人としてはやはり……護送任務にISの名前が出てきていい気分はしなかった。

「…ユウ、お前の言いたいことはよくわかるつもりだ。私もお前と同じ戦闘機乗りだ、年老いてもそれは変わらんよ――だがな、今回は少し事情があるんだ」

「事情とは――直接エディさんがその話を持ってきた事と関係あるんですか?」

本来、大佐という地位であるこの人がこのような話自体を直接持ってくること自体珍しい。
というより――エディさんは軍部で大佐というよりは将官クラスの権限持っててもおかしくはないのだ。

ウチ(フランス空軍)では有名な話であるが、この人――大佐からの昇格を蹴ったのだ。理由は単純で『こんな老いぼれよりもっと優秀な人材が居るだろう?』と発言していた。
この言葉で分かるが、これはエディさん自身のISに対する嫌味だ。

『もし上に立つ人間を立てるのなら、自分などの老いぼれよりISを使える女性を昇格させろ。そのほうが有益なんじゃないか?――俺達戦闘機乗りはもういらない、そうだろう?』

過去にエディさんはある雑誌の記者に対してもそう発言している。

すると、エディさんはため息を一度付くとあまり乗り気ではなさそうに

「今回、護送を予定しているISなんだが――これが問題児でな」

「問題児、と言いますと?」

「……ユウに
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