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IS<インフィニット・ストラトス> ‐Blessed Wings‐ 
序章 『交差』 ‐暴風の竜騎兵と紅の姫君‐
プロローグ
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――空を飛びたい、そんな些細な夢を持ったのは何時だっただろうか

子供の頃、俺は空を見るのが大好きだった。
普通の子供が楽しいと思うような玩具やゲーム、幼い子供なら好きであろうもの。
そんなものより、俺はただ空を眺めるのが好きだった。

青い空、曇った空、夕日で赤くなる空――そして、空気や風に乗ってくる匂い。それが俺は好きだった。
子供の好きなものではない、と言われてしまえばそこまでかもしれないが――
少なくとも月代悠という人間の少年時代はそうだったのだと思う。


『悠は、大人になったら何になりたいんだ?』


自分の両親に聞かれたそんな在り来たりの問いかけ――それに対して、その時の俺は迷いなく答えた

――『空を飛びたい、ずっと空を見ていたい』

空が好き、だから空を見続けていたい――だからこそ、空を護りたい。
その願いは、想いはずっと変わらなかった。


白騎士事件。世界にIS<インフィニット・ストラトス>という存在を示した出来事。
その事件について、詳しくは未だに明らかになっていない。
わかっているのは、日本を射程距離内とするミサイルの配備されたすべての軍事基地のコンピュータが一斉にハッキングされ、2000発以上のミサイルが日本へ向けて発射される。
だが、その約半数を搭乗者不明のIS「白騎士」が迎撃した上、それを見て「白騎士」を捕獲もしくは撃破しようと各国が送り込んだ大量の戦闘機や戦闘艦などの軍事兵器の大半を無力化したというものだ。



――しかし、この事件には続きがある。

この事件で、確かにIS<インフィニット・ストラトス>という存在の価値は世界に証明された。
だがしかし、表沙汰にはならなかったが――『この事件では死傷者が出ている』。
白騎士が無効化したのはあくまで『大半』であって全てではない。そうして、無効化できなかった一部の軍事勢力の攻撃によって悲劇は起こる。

不幸というべきなのか、白騎士を捕獲しようとして動いた軍隊のミサイルや砲撃が、海上軍事施設に直撃――施設内部の人間全てが死亡した。

そしてその中には、研究者であった月代悠……つまりは自分の両親の名前もあった。

関係者のみが知る事実であるが、この死傷者を出した事件は決して表沙汰になることはなく闇に葬られた。もし、白騎士を捕獲しようとして誤って海上軍事施設を破壊し、死傷者が出ていることが知れたらどうなるか。

それは、ISの価値を証明したかった篠ノ之 束にとっても、各国の軍事部にとっても『都合の悪い出来事』だったのだ。

だからもみ消した、なかったことにした。

そうして、当時子供だった自分は、幼くして両親を亡くし、両親と付き合いのあったフランス人『ルヴェル・エディ』という人物に引き取られる。

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