暁 〜小説投稿サイト〜
Fate/stay night -the last fencer-
第一部
それぞれのマスターたち
穂群原学園(U) 〜パニックソニックデッドコースター〜
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頭悪いのかもわかんねぇし」

 復活した結界。新たに刻まれた呪。
 正直元に戻されただけならよかったが、結界はさらに強化されている。

 だが痕跡を残したままなのは相変わらず、結界も感知される状態で放置。
 いや、ここまでくると逆にバラしているのはわざとで、こちらの撹乱や余計な警戒心を与えるための戦術とも考えられる。

 もしくは俺が深読みし過ぎなだけで、そんなことなど考えてすらいない三流魔術師なのかもしれないが。

「また地道な基点潰しだな」
「仕方ないわ。対症療法だけど、他に出来ることもないし」
「じゃあまた放課後にボチボチやるかねぇ」

 屋敷になら結界破壊の魔具もあったと思うが、今は遠出するわけにもいかない。
 冬木市から離れたことを敵前逃亡、戦線放棄とみなされては困るからだ。

 話しながらも弁当をパクつく。

「そういやおまえ、昼飯それだけで足りんの? 俺の弁当倍近い量なんだけど」
「女の子はこんなものよ。黎慈はさすが男の子って感じね」

 俺の特製牛カルビ弁当。

 白米を敷き詰めた上からキャベツの千切りを敷き詰めて、その上から焼き肉を敷き詰めただけの男の弁当。
 昼食にこだわりを持っているわけではないので、腹が膨れればそれでいいのだ。

「私がそんな量を食べたら、しばらくは食事量を減らさなきゃいけないもの」
「だから気にするほどのお肉ついてな──いひゃい、いひゃい!?」

 ほっぺたをギューっとつねられる。

 あー、女子にそういうのは気を遣うべきか。
 分かってはいるんだが如何せん素直な性質で、つい口に出してしまう。

「口は災いの元って知ってる?」
「知ってる。ただ天災と違って人災は予防できると思うんだ」
「じゃあちゃんと予防しましょうね」
「いやまあ…………食べても運動すればいいことじゃねぇか?」
「運動ならしてるわよ。その上で色々気を遣ってるの。わかる?」

 そりゃあわかってるんですけどね。

 本音で言うと人をからかうのは既に習慣と化しているというか、こういうのが楽しかったりするのだ。
 凛とまともに会話するようになったのもつい最近なんで、そこはまぁ大目にみてほしいところ。

「それにしても寒くなったなぁ。昼間でも身震いするくらいだ」
「何ひ弱なこと言ってるのよ。それこそ運動でもしてみたら暖まるんじゃない?」
「ベッドの上での運動なら大歓げっふ!?」

 逆流するっ、胃の中のモノがっ、鳩尾にっ、崩拳がぁっ!!

 食道をせり上がってくる牛カルビとキャベツと白米を必死に抑え込む。

 こんなところでリバースしては後始末が大変だ。

「ふふふ、予防はどうしたの?」
「ま、まだやってませぇん…………」
「口は災いの元ってい
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