合流〜
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アスナ〜
・・・わたしは今、狭い檻に閉じ込められている。現在の状況を簡単に説明すればそういう表現が一番だと思う。
「キリトくん・・・早貴・・・」
ただ、長い間ここに閉じ込められていて、分かったこともある。わたしを閉じ込めているのは妖精王オベイロン・・・須郷伸之だということ。彼の目的はフルダイブシステムによる人の精神操作。
「・・・」
今、リアルではわたしを含め一部のプレイヤーが目を覚まさないらしい。それも須郷が実験のためにその精神を閉じ込めた。わたし以外の人たちがどうなっているか・・・想像するのも恐怖を覚える。
「(・・・更に)」
須郷は結城家の養子となり、レクトを乗っ取る気だ。だけど・・・悪いことばかりじゃない。須郷はわたしの心を折るつもりだったのだろうが・・・結果的にキリトくんや早貴たちは無事に現実に帰れているのがわかった。・・・そして、また今日も・・・
「やぁ、ティターニア」
「・・・」
無言で須郷を睨む。だが、須郷は上機嫌だ。
「・・・随分と機嫌がいいのね」
「ん?ああ、紹介しようか。こっちに来たまえ」
そう言った須郷の背後から一人の少女が現れた。
「・・・お初にお目にかかります、ティターニア様」
「・・・?」
「彼女の名前は・・・そう、ロビン・グッドフェローと言うべきかな・・・」
「NPCか何かなの?また・・・」
「くっくっく・・・」
「?何が可笑しいの?」
「彼女は人間だよ、れっきとしたね」
「・・・まさか・・・!」
「そう。僕の実験の記念すべき第一号だ。ご覧の通り、実験は成功。彼女は僕に忠実な部下となったんだよ」
「そんな・・・酷い・・・」
見れば少女の目に力はなく、表情も無表情のままだ。
「さてと、残念ながら今日はこれから用事があるのでね。今回は彼女の紹介に来たという訳だ。それじゃあ」
少女・・・ロビンは頭を下げて振り返る。・・・見ると腰に曲刀がある。
「(あれ?どこかで・・・)」
チリン、と曲刀に巻き付けられた鈴が鳴って・・・
「(あ・・・!)」
コウハ・・・亮くんから聞いたことがある。自分と似ている武器を使ってて・・・そうだ、聞いていた特徴と一致している部分も・・・
「待って!」
ロビンがこちらを見る。
「あなた、コウハ・・・ううん、亮って名前に聞き覚えある!?」
「コウハ?・・・亮?・・・・・・っ、うぅ・・・!!」
ロビンが頭を抱えてうずくまってしまう。
「・・・どうやら調整が甘かったようだな。ほら、こっちに来い」
「待って!待ちなさい!・・・須郷!」
だが須郷はロビンを引っ張っていってしまう
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