暁 〜小説投稿サイト〜
ソードアート・オンライン〜Another story〜
SAO編
第9話 情報は命です
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あり得る。……それは、恐らく、初心者達よりも危険を孕んでいると考えられる事だった。モンスター達の行動範囲や特殊攻撃、その威力の全てが変わってきているのだから。

 リュウキがまだ村の入口で考え、思考を張り巡らせていた時だ。



「……ヤアっ! ソコのおニィさん」


 突然だった。
 不意に、後ろから声が聞こえたのだ。その事にリュウキは 少し驚いたが、現実世界でもそういった類は多少あったから慣れていたりする。
 そして、ここは街中であり圏内だ。特に不意打ちを喰らったからといって、問題はまるでない。だから、リュウキは別に驚いた様子は見せず、警戒もせずに振り向いた。

 そこには、自分と同じ様に、フードをすっぽりと頭に装備しているプレイヤーがいた。

 カーソルを確認しても、どうやら NPCではないようだ。
 普段のリュウキなら、『突然話しかけてきた怪しいヤツ』と言うレッテルを張り、脳内にもその姿を焼き付けて、今も、そして以後も、相手にもしないのだが。この風貌、そして話をする感じ。そして、何よりも変わってないのがフードの中の表情を見て、リュウキは、止めた。

 リュウキは、このプレイヤーの姿に覚えがあるから。記憶に残っていたから。

「……オレに何か様か?」
「いや、キミが丁度20人目なんダヨ。コノ村来たプレイヤーデな? だかラ、ちょっとシタ記念に話しタイって思ったダケだヨ? 別ニ他意はナイゾ? オレっちは 色んナヤツと話しタイからナ?」

 その人物は、得意気にそう話してきた。
 そして、この短いやり取りで、リュウキは確信が益々いっていた。自分の中の記憶の人物と目の前の人物が殆ど同一人物だと言う事が判ったのだ。

 そして、この人物が 100%想像通りの人物だとしたなら、……本当に油断なら無い者だ。ある意味では フィールド上に闊歩しているモンスター達以上に。

「……そうか。オレは話さない。少しの間ででも、お前に何を抜かれるか判ったもんじゃないからな」

 相手が誰だか判ったからこそ、リュウキはそう返した。そう返した事で、相手も情報を握った様だ。

「……ナルホドナ、どうやら、キミもβ出身者だったカ?」

 目の前のプレイヤーは個人情報の1つをあっさりと見抜かれてしまった。だが、これは 浅はかな反応をした為だったから、と自分自身をリュウキは戒めた。これはゲーム内のスキルじゃなく、単純な洞察力だ。


――……自分の事を知っている。
――……この世界で会ったのは間違いなく初めて。
――……ならば、いつ出会った? 間違いなくあの世界(βテスト)の時だ。


 ここまで考えたら、最早答えだろう。


「……成程、20人目というのはハッタリか、お前はその後の反応を見ていたんだ
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